研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -038/162page
(1)事例1(6/10時)
本時のねらい: 生まれる直前の胎児がどのような状態になっているかを話し合うとともに、母体内での胎児の状態をモデルをもとに調べ、図やことぱでまとめることができるようにする。
指導過程(事例1) 段階 学習活動・内容 時間 ○指導上の留意点 ※評価 つかむ 1.本時の学習課題をとらえる。
生まれる直前の赤ちゃんは、お母さんのおなかの中にどんな様子でいるのかを調べよう。 5 ○板書により、課題を明示する。 見通す 2.生まれる直前の母体内の胎児の様子を想像する。
(1)自分の想像をもとに図に表す。
(2)想像図をもとに、斑ごとに話し合っての想像図を書く。
(3)各斑ごとに想像したことを発表する。10 ○おなかのどの辺にいるのかを考えさせ、胎児の大きさや姿勢などについて表させる。
○目を開けているかや口を閉じているかなどについて考えさせる。
○話し合いの中心者や図を書く人などの役割分担をさせる。
○OHPで投影できるように、クリアシートに書かせる。
※生まれる直前の胎児の様子を想像し、話し合うことができたか。
(理科シート、クリアシート、観察)
○1.胎児の姿勢 2.胎児の様子 3.胎児の回りの様子の3点について、自分たちの班と比較させながら聞かせる。確かめる 3.資料を活用して、母体内の胎児の様子を調べる。
(1)胎児のみを写したVTRで調べる
(2)母体内の様子を表したモデルで調べる。15 ○身分jたちの考えにあっていたかを確かめるという目的にたち戻す。
○モデルの近くで観察させる。
○モデルには触っていいことを告げる。
○胎内に手を入れて、羊水と胎児を直接触れさせる。まとめる (3)想像と実際の違いを発表する。
4.調べたことをもとに、母体内の胎児の様子をまとめる。
(1)図に表す。
(2)用語を知る。10 ○OHPシートにわかったことを図でまとめさせる。(胎児の図、用語)
※想像と実際の違いに気づいたか5.次時のがくしゅうの見通しを持つ。 5 ○モデルなどの観察から疑問に思ったことを自由に発言させる。
○羊水、羊膜、胎盤のことなどに注目させる。
(2)事例2(10/1O時)
本時のねらい: 胎児モデルを使っての体験的な活動や家族の話などの資料を通して、自分たちが母体内にいるときから誕生,そして現在に至るまでには家族の苦労があり、それらは自分たちへの深い愛情に基づいていることを感じとることができるようにする。
指導過程 (事例2)
段階 学習活動・内容 時間 ○指導上の留意点 ※評価 つかむ 1.課題をとらえる
私たちが現在の姿に成長するまで家族にはどんな苦労があったかをまとめよう。
5 ○発表により課題を確認させる。
※課題をとらえることができたか。見通す 2.調べてきたことをまとめる。
(1) 誕生前と誕生後に分けて発表する
(2) グループごとに、誕生前後に分けてまとめる。
○誕生前
・刺激物をさけた
・適度な運動を続けた
・「お腹を冷やさないようにした
○誕生後
・かぜをひかないように気を配った
・具合が悪いときは、仕事を休んで病院に連れていった
(3) まとめたことを発表する。10 ○家族へのインタビューという形で、資料を集めてきているので、2〜3の児童に発表させる。
○OHPシートへのまとめ方を工夫させる。
○共通していることと個人で違うものとを2つに区別してまとめさせる。
○グループごとに発表させる。確かめる 3.胎児モデルを使って、妊娠中の母親の状況を実体験する。 15 ○出産時の状況を想定させる。
○胎児モデルをお腹に付け、その重さや自分の動きの不便さを実体験する。
○その状況が毎日続くことや自分なりの苦労を想像させる。
※胎児の重さが実感でき、母親の苦労が分かったか4.家族からの手紙を聞く。 10
○あらかじめインタビューしておいた手紙を朗読して聞かせる。
○朗読の効果を高めるためにBGMを流す。まとめる 5.親の苦労や愛情に関する感想をまとめる。 5 ○家族への手紙という形で100字程度にまとめさせる。
※自分に対する家族の苦労や愛情をとらえることができたか
5 児童の反応
(1)関心をもって意欲的に取り組める教材
赤ちゃんモデル(母体モデル)の感想をくわしく書いてください。 (事例1)
○おもしろい、すごい(実物と同じ) 5名
○自分もそうだったんだな、大人になってそうなるんだろうな 3名
○中が触れられたのでよく分かった 2名
○生まれる前はあんなふうだったんだな 1名
○想像できないモデルにびっくり 1名
○どうやって作ったんだろう 1名
大きなざわめきと歓声が起こり、児童の関心を