研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -039/162page
引くのに十分であった。近くで真剣に観察したり赤ちゃんに声をかけたり、胎内に手を入れたり、胎児そデルの入った母体モデルを意欲的に調べていこうとする態度が見られた。
赤ちゃんモデルを抱いた授業の感想を書いて下さい。(事例2)
○お母さんはたいへんだと思った。 7名
○いろいろなことが分かった。 3名
○赤ちゃんを生む時、苦労するので女にうまれていやだなと思った。 1名
○赤ちゃんモデルがよかった 1名5s(胎児3s十胎盤と羊水2s)を体につけ、歩いたり、寝たりしてその重さを繊した魑は、母親の母体内にいた時の目分を想像して、母親の苦労を感じていた。
(2)問題点の認識や間題解決のための直感力を養う教材
今日の勉強でふしぎに思ったり、もっと調べてみたいと思ったことはなんですか。(事例1)
○息はどうするの(水があるのに) 5名
○うんちやおしっこはどうするの 3名
○胎盤にどこから栄養が来るのか 2名
○生まれるとき膜はどう破けるの 2名
○赤ちゃんはどこからうまれるの 1名
○手はなぜ開かないの 1名羊水や羊膜をっけたことで、その中にいる胎児の生理現象に目を向けるようになった。より実物に近いモデルを提示することによって、問題点がより明確になったと考える。
6 教材の評価
本教材を使って、児童は実際には映像や資料でしか見ることのできない母体の様子を疑似体験できたことで自分の胎児のころの様子に関心を持ち、目を向けるようになった。
母体・胎児モデルを見たり持ったりする活動を通して、児童の興味・関心が高まった。さらに,羊水や羊膜がリアルにモデル化されていたので、その中にいる胎児の呼吸や排泄、栄養の 補給など児童が解決すぺき問題点が明確になった。
体験的な学習をしにくい単元ではあるが、胎児モデルによる体験的な学習が効果をあげた。
本教材は、実際の授業の試行を通して、次のような問題点があったので、改良を加えた。
ア羊水である水が漏れやすい。
イ開き窓が小さく、観察しくにい。
ウ手を入れて中の胎児や羊水に触れられるようにした方がよい。
工胎盤が分かりにくい。
7 使用上の留意点
胎児モデル(母体モデル)は、いろいろな資料(ビデオ、写真等)といっしょに提示すると効果的である。
胎児モデルでは、実際の胎児の重さや大きさを疑似体験させることが目的であるので、授業の中で実際に持たせたり、身に付けさせたりするなどいろいろな活動を児童に考えさせたい。