研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -040/162page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

「上皿てんびんづくり」

1 単元名「ものの重さとてんびん」(第4学年)

2 教材のねらい

 この教材は、身近な材料を用い、児童一人一人が上皿式のてんびんを製作するという体験を通して、学習への関心や意欲を高め、また、問題解決のための手順や技能を習得させようとするねらいをもつものである。

3 教材の概要

 材料は、段ポール、ラップのしんなどの紙円筒ストロー、竹ぐしで、短時間に製作できる。完成図を図1に示す。(作り方の詳細は平成4年度紀要参照)

図1 てんびんの完成図
図1 てんびんの完成図


  自作てんびんはおもりをつり下げる方式のものが多いが、このてんびんでは市販の上皿てんびんと同じようにおもりをのせて童さを比べることができる。感度も比較的よくゼムクリッブ1個(約O.2g重)程度の重さでも大きく傾く。

4 授業での試行

 4年の単元「ものの重さとてんびん」の学習の導入の段階で実施した。

 〈単元の学習指導計画〉総時数10時間
(1)重さを比べる方法を考えよう……1時間
上皿てんびんを作る。(1)本時
(2)棒で重さが比べられるか………6時間
1.作ったてんびんを使って、つり合うときのきまりをみつける。(1)
2.作ったてんびんで物の重さを比べる。(1)
3.作ったてんびんで物の重さをはかる方法を考える。(1)
4.上皿てんびんの使い方を学習する。(2)
5.上皿てんびんで物の重さをはかる。(1)

(3)重い物は体積も大きいか…………3時間
1.ポリスチレンと粘土の重さを同じにして体積を比べる。(1)
2.粘土がかたまりのときと、ぱらぱらのときの重さを比べる。(1)
3.単元のまとめ(1)

<指導過程〉

段階 学習活動 時間 指導上の留意点 ※評価
導入 1本時のめあてをつかむ。
・1円玉とクリッブではどちらが重いか。
・てんびんを作ろう。
・どちらが重いか予想をたてさせ、比ぺる方法を考えさせる。
展開 2てんぴんを作る。
(1)説明を聞く。
(2)材料をそろえる。
(3)一説明図を見ててんぴんを作る。
25 ・難しい作業の部分は前もって教師がやっておく。
・遅れがちな児童を適宜援助する。
※材料を準備し、用具を正しく使えたか。
※てんぴんをつり合わせることができたか。
※進んでてんぴんを作ることができたか。
終末 3 作ったてんびんについて話し合う。
・苦労したところは
・気付いたことは
10 ・製作で工夫したことや製作して気付いたことは小さなことでも認めてやる。
4 本時のまとめを行い、次時の課題をつくる。 ・次時の課題を設定し、活動が連続するようにする。

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。