研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -042/162page
「はりつけ法による地層モデルづくり」 1 単元名「大地のつくり」(第6学年)
2 教材のねらい
この教材は、地層の観察において、身近な地域素材を利用して、学校または現地において容易に製作や活用ができることを目的として開発したものである。
実際の地層の構成物を用いて地層モデルを作製することを通して、大地のつくりの学習に対する意欲を高めるとともに、児童一人一人が対象に直接働きかけ、表現することを通して、問題点を認識したり、問題解決のための直感力を養ったりすることをねらいとする。
3 教材の概要
(1)教材の特徴
作製しようとする地層モデルは、実物の地層の構成物を使って再現したものである。したがって、地層の色、地層を構成する粒子の大きさやその並び方、地層に作用した流水の痕跡、地層の重なり方、手ざわり等は、現地の地層観察に近い。
地層観察後、このモデル作製を行えぱ、より詳しく観察したり、手で触れたりするなどの体験的な活動により、地層の理解を深めることができる。
モデルに適した地層は以下のような条件が望ましい。
・できるだけ泥層、砂層、れき層の3層が含まれていること。
・地層を構成する粒子の大きさや色の違いが明確に区別できること。
・れき層中のれきは、川の小石と同じように角がとれた丸いれきであり、流水作用で一定方向に並んでいれば理想的である。
・それぞれの層が半固結化していて、はぎ取りやすい状態であること。上記のすぺての条件を満たす地層は少ないので4項目のうちなるべく多くの項目に適した地層について作製するのがよい。
このモデルの作製を通して、課題や疑問などを持たせれぱ、大地のつくりの導入としても効果的である。
(2)作製法
<準備品>
・ベニヤ板40cmX30cm1枚 ・はけ ・接着剤(木工用ポンド) ・移植べら ・草削りがま