研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -043/162page

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作成法

1.モデルとなる地層の表面が平らになるように、草削りがまなどで削り取る。

2.ペニヤ板の台紙に接着剤(木工用ボンド)を均等に塗る。
(あらかじめ台紙にガーゼをはり、さらにその上に地層をはりつけると取れにくい。)

3.地層の単層ごとに、できるだけ原形に近い状態で移植べらではがし、2.にはりつける。

4.自然乾燥させる。

4 授業での試行

 試行授業は付近にモデルに適した地層がある小学校(飯坂小)にお願いした。学校付近の地形図は下図の通りである。

学校付近の地形図

 摺上川や赤川沿いに角れき岩質凝灰岩が堆積しており、その上に厚さ7mほどのれき層が重なり、小学校はその段丘面の上にある。この地層はれき層の最上部に火山灰層がのっており、流水作用による地層と火山の働きによる地層における、粒の違いなどを比較するにも適している地層である。

 小学校付近の坂に露頭が見られ、そこで前の時間に地層観察及び堆積物の採集を行った。

写真2地層観察及び堆積物の採集
写真2地層観察及び堆積物の採集


<学習指導案>

1 単元の指導計画

総時数16時間

 (1)土地のつくり................................8時間

  1.私たちの住んでいる大地はどのようにしてできたのか………………………………(2)

  2.地層の観察……………………………………(3)
  ・スライドや写真による地層の観察
  ・学校付近の地層の観察、スケッチ
  ・炭層ごとの堆積物の採集

  3.はりつけ法による、地層モデルの作製と考察(3)
  ・スケッチを墓に、採集してきた堆積物で地層モデルを作る。(本時1/3)

(2)地層のでき方…………………………………4時間

 1.モデルを基に、地層の特徴やでき方を推測する。

 2.水の働きによる地層のでき方を実験を通し考察する。

(3)火山によって大地はどのようにしてできるのか…3時間

 1.流水によってできた地層と火山によるものとで、地層を構成している粒の違いや共通点を比較し、その原因を考える。

(4)単元のまとめ…………………………………1時間

2 本時のねらい

 採集してきたサンプルを基に、グループごとに地層の重なり方・順序関係、単層ごとの量や特徴などを考察させながら、地層のはりつけモデルを作製させる。

3指導過程

段階 学習内容・活動 時間 指導上の留意点
○教材との関連●評価
導入 1.写真や地層モデルを見て話し合い、本時のめあてをつかむ
地層のモデルを作り、土地のつくりについてまとめよう
○採集してきたサンプルを、どのように活用できるか問いかけ、モデルつくりに気づかせる。
●モデル作りに興味を持ち、意欲的に作ろうとしているか。
展開 2、地層のモデルを作り、観察した結果について話し合う。
(1)モデルの作り方を考え、作成する。

(2)モデルや各自の観察記録を基に話し合う。
○土地をつくっているもの:含んでいるもの
・層によって構成物が違うこと
・小石は丸みをおびていること
30 ○モデル作りの説明は最小限にとどめ、作製方法についてもグループごとに創意工夫が図られるように配慮する。

●観察スケッチなどを基に、工夫しながらモデル作りができたか。
・砂層や小石の向きなどが一定であることに気づいているグループの意見を取り上げ、流水の働きが地層を作るのではないかという次時の学習につなげたい。
 また、色の違う粘土(火山灰)の存在に気づいているクループの考えも、他のクループに紹介したい。
終末 3.本時の学習についてまとめる・モデル作製を通してわかったことや疑問点をまとめる 10 ・グループごとにまとめたことを発表させ、自分達のクループと比較させる。
○モデルについては、砂層や小石の向き重なりが繰り返していることなとに注目させ、地層のでき方は流水の働きに関係があるのではないかという予想を待たせるため次時も活用する。

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