研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -045/162page

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(2)その他の教材

「骨と筋肉のモデル」

1 単元名「人のからだをしらべよう」(第3学年)

2 教材のねらい

 ここでは、児童が自分の体を外側から触ったり、曲げたりして骨や筋肉の存在を確かめ、運動ができるのはそれらの連動によることをとらえさせることをねらっている。

 筋肉と骨との関係は、ビデオや市販のモデルなどを利用して学習することが多いが、ビデオの視聴では筋肉の位置と骨の動きの関係を調べるといった体験的な活動ができない。

 そこで、腕がうまく曲がるように児童が筋肉の位置を考え、腱を取り付けることができるモデルを考えた。

 このモデルを使い、児童が腱の付く位置を考え決定していく学習を通して、児童に筋肉と骨の関係をつかむ学習に関心をもって意欲的に取り組ませ、論理的な思考力を高めていきたい。

3 教材の概要

(1)特徴

 児童が骨に付く筋肉の位置を考えてモデルを組み立てることができるので、上腕骨や尺骨、とう骨のつくりやそれにつながる上腕二頭筋と上腕三頭筋の役割について簡単に理解できる。

(2)製作法

 1.材料
○木材 17x28x320o 1本 (上腕骨) 10x20x300m 2本 (尺骨、とう骨) ○ポルト φ8x55o 1本 ○ヒートン 6本 ○釘 ○針金 ○ビニールテープ ○脱脂綿 ○ゴムチューブ ○金属リング 6個

 2.作り方
ア木材を写真1のように組み立て、ボルトで止める。

写真1 骨部分の組み立て
写真1 骨部分の組み立て


イ 筋肉部分は、ゴムチューブに脱脂綿を詰めて両端をたこ糸で結ぷ。さらに白のビニールテープを両端に巻き、腱をモデル化した。腱の部分には、金属のリングを取り付け、骨に付けたヒートンと接続できるようにした。

写真2 筋肉部分の作成
写真2 筋肉部分の作成


4 指導例と留意点

 児童に腕の骨と筋肉の関係をつかませるために自分の上腕二頭筋と上腕三頭筋の位置をつかませ、ひじを曲げたり伸ぱしたりするときの筋肉の動きを確かめさせる。その後、骨に筋肉(腱)を付ける活動をさせ、モデルを組み立てる。

写真3 ひじを曲げるときは、上腕二頭筋が縮み、上腕三頭筋が伸びる。
写真3 ひじを曲げるときは、上腕二頭筋が縮み、上腕三頭筋が伸びる。


写真4ひじを伸ぱすときは、上腕二頭筋が伸び、上腕三頭筋が縮む。
写真4ひじを伸ぱすときは、上腕二頭筋が伸び、上腕三頭筋が縮む。


 できるだけ、自分の体で確かめるといった体験的な活動を行ってからモデルを使用した学習に取り組ませる。


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