研究紀要第95号 「児童生徒の創造性を高めるための教材開発」 -055/162page
(3)授業をふりかえって
・興味や関心をもって取り組んだか
・意欲をもって取り組んだか
・学習は楽しかったか
学習は楽しかった」という生徒は多かったが、「興味・関心」や「意欲」は、それと比べやや低い結果となった。
6 教材の評価
本教材の開発意図であった「関心をもって意欲的に取り組める教材」という点では、おおむね効果を上げたが、説明文の表現や操作性の面で改善を要しており、生徒にとっては少し難しい教材という印象を与えた。今後は、前述の反省を基にわかりやすく使いやすいソフトウェアを目指し、改善を図っていきたい。
事後検討会で次のような感想が出されたので、改善する際の参考としたい。
・プログラムモードのプログラムの例は、ダイレクトモードの例と同じものにしてはどうか。
・説明の画面を増やしてはどうか。
・最初に身近なプログラムを提示し、興味をもたせる工夫をしてはどうか。
・用語等の意味をしっかり覚えさせたい。7 使用上の留意点
本教材は、生徒の自習用の教材ではなく、教師が本教材を利用して指導を行うという位置付けのものである。したがって、教師は生徒の理解の状況等を適切に把握し、随時学習内容の質問等を受けながら進めるようにしたい。さらに、演習の場面では、個の能力差に応じるために教師は適切に助言し、個々の生徒が満足感や成就感を得られるよう配慮したい。
「アンケートを集計して報告書を作ろう」 1 題材名「コンピュータの基本操作と情報の活用」(第3学年)
2 教材のねらい
「情報基礎」の指導の項目の一つである「コンピュータの利用」では、指導事項が「応用ソフトウェアを用いた情報の活用」と「コンビュータの利用分野」となっている。「応用ソフトウェアを用いた情報の活用」では、日本語ワープロ、表計算、図形処理、データベース等の応用ソフトウェアを利用して、情報の選択、整理、処理、表現ができることをねらいとしている。そこで、情報をアンケートによるデータとし、そのデータの整理、処理、表現による資料の作成を通して応用ソフトウェアの機能を理解させ、基本的な情報の活用の仕方を体験的な活動を通して身に付けさせたいと考え、「アンケートを集計して報告書を作ろう」という小題材を開発した。教材の開発に当たっては、生徒が関心をもって意欲的に取り組めることをねらいとした。
3 教材の概要
生徒が情報として知りたい内容に関してアンケート調査を行い、それを集計し、報告書としてまとめるものである。
学習には6時間を配当し、次のような流れで進められるようにした。
<アンケート調査> …2時間
ア ペアをつくり、アンケート調査のテーマを決める。
イ アンケート項目を決める。
ウ アンケート調査を行う。<データの集計> ………2時間
ア 「データベース」でアンケート集計の画面を作成する。
イ 調査の結果(データ)を入力する。
ウ 入力したデータを一覧表にする。
工 「表計算」で合計等を計算し、グラフを作成する。<報告書の作成> ……2時間
ア 「ワープロ」で見出しやコメントを書き