研究紀要第96号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -065/162page
第3年次
(1)第2年次の実践を踏まえ、修正改良した試案によって研究協力校で実践し、その効果を調査する。
(2)望ましい援助の在り方に関する3年間の研究をまとめる。
III 第1年次の研究実践
1 援助の在り方を探る調査内容について
(1)調査の目的
学校不適応状態にある児童生徒の実態及び児童生徒の学校不適応意識、さらに、その背景ともなる個々人が持つ価値観等を明らかにして、学校適応に向ける適切な援助の在り方を探るために行う。(2)調査研究の視点
学校不適応状態にある児童生徒は、集団や自分のことをどのように見つめ、周りに何を求め、どのように自らを変えたいと願っているかなど、学校生活に対する児童生徒の適応・改善という角度から、「集団・対人関係、個人」に視点を当てて調査研究を進める。
(3)調査項目内容
1.調査項目について
調査の目的に照らして次のような6つの調査項目を立てる。
(ア)学校不適応の「状態」をとらえる調査項目
<アンケート3-1〜3-9>(イ)学校不適応の「意識」をとらえる調査項目
<アンケート2-1〜2-10>(ウ)自己イメージ、集団イメージをとらえる調査項目
<アンケート1-1〜1-8>(工)学校不適応の「場面」「理由」「解決方法」をとらえる調査項目
<アンケート5-1〜5-12>(オ)児童生徒の価値観をとらえる調査項目
<アンケート4-1〜4-24>(カ)教師が押さえている不適応の実態を知る調査項目
<教師用>これらの6つの項目の内、(ア)〜(オ)については次に示す図のように、学校不適応に至るメカニズムの過程と対応した形で押さえることができる。
2.調査内容について
(ア)不適応状態を知る
「状態」が顕在化したものかどうかその程度を押さえるとともに、どのような学校不適応を起こしているかを知るためのものである。
(イ)意識の面を明らかにする
児童生徒がどのような場面でどのような学校不適応意識を持ちやすいか、また、学校不適応状態の程度によって意識の面でどのような特徴や傾向が表れるかを明らかにするための調査内容である。
(ウ)自己・集団イメージと不適応との関連を見る
自己イメージと集団に対するイメージを知る二つの調査内容が含まれている。一つは、児童生徒がどのような自己イメージを持っているかを明らかにし、そのイメージが不適応とどういう関連を持つものかを探ることができる。もう一つの集団に対するイメージでは、個と集団との関係が読み取れるものであり、不適応の要因としての個の持