研究紀要第96号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -067/162page
2 調査結果とその考察
(1)学校不適応の状態に関して
1.全体(1〜3年、男女)から
調査結果から、中学生全体の学校不適応状態の傾向を見ると下図のようになる
ア 3-5 (何をするのもめんどうだと思い、ぽんやりしていることがありますか) では、「多い」「時々」を合わせると69.5%に達している。
このことから、「めんどうで、ぼんやりしていることがある」生徒が約70%で、 これらの生徒は学習活動や部活動などに対しての目的意識が低く、学校生活にあまり意欲を感じていない傾向にある と考えられる。
またこのような不適応状態は「遅刻・早退・欠席」などのように具体的な行動となって表れないため、教師は生徒の不適応状態を的確に把握することが難しいと考えられる。
イ 3-6 (学校で、いらいらして物にあたることがありますか)、3-7 (学校で、いらいらして友達にあたることがありますか) では、「多い」「時々」を合わせると36.3%、30.O%で、学校で「いらいらを感じ、心理的に不安定な生活」を送っている生徒のいることがわかる。また、この「いらいらしている状態」は、3-5の「ぼんやりしている状態」と同じく、教師にとって的確な把握が難しいと考えられる。
ウ 3-8 (いじめられたり、無視されたりすることで悩むことはありますか)、3-9 (休み時間は一人ぽっちで過ごすことがありますか) では、「多い」「時々」を合わせると29.6%、20.4%で、学校で「いじめられたり、無視されたり」、「学級内での孤立」で悩んでいる生徒のいることがわかる。
このことは・学校生活の中で 円滑な「友人関係をつくれず、悩んでいる生徒のいる ことを表わしていると考えられる。
工 3-3 (遅刻や早退をしますか)、3-2 (登校時間になると、気分が悪かったりおなかが痛かったりしますか) では、「多い」「時々」を合わせると27.1%、21.4%で、「登校前に気分が悪くなる」「遅刻や早退をする」生徒のいることが