研究紀要第96号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -069/162page

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3.学年別に見ると(学年間の比較)

 学校不適応の状態を学年間で比較し、特徴的なところを取り上げてみると、次の図のようになる。

学校不適応状態(学年別)
学校不適応状態(学年別)


ア 3-5 (何をするのもめんどうで、ぽんやりしていることがありますか) では、「多い」時々」合わせると約70%で、1,2,3学年共にほぼ同じ状態であるが、「多い」と答えた割合は、1年が7.9%、2年が10.4%、3年が14.1%で、学年が進むにつれて「何をやるのもめんどうで、ぼんやりしていることがある」という状態を顕著に示す生徒が増えていることがわかる。

 また、3-4(学級がいやで保健室に行くことがありますか) でも、「多い」「時々」を合わせると1年が2.0%、2年が6.1%、3年が6.8%で、学年が進むにつれて増えていることがわかる。このことは、生徒の身体的な健康状態にも関係するが、学年が進むにつれて「学級がいやで保健室に行くことがあるという状態」が多く見られ、学校生活への「意欲」が減少してきていることの表れと考えられる。

 これらのことから、生徒は学年が進むにつれて、「めんどうで、ぼんやりする」ことや「学級がいやで保健室に行く」ことが増え、学校生活への意欲が減少している傾向にあると考えられる。

イ 3-8 (いじめられたり、無視されたりすることで悩むことはありますか) で、「多い」と答えた割合は1年が7.3%、2年が6.0%、3年が3.4%で、学年が進むにつれて、「いじめられたり、無視されたりすることで悩む」という学校不適応の状態にある生徒の割合が減少していることがわかる。このことは、生徒は学年が進むにつれて、「友人関係」が原因で学校不適応状態になることは少なくなっていくものの、「めんどうで、ぼんやりしていることがある」など、学校生活への意欲が減少してくる傾向にあることがわかる。

4.A・B・C 群分けによる人数割合

 前述(III、(5))のABC群の配点の基準により、群分けをしたところ、下図のような結果になった。

A・B・C 群分けによる人数割合
A・B・C 群分けによる人数割合

 各学年における各群の割合は、下表のとおりである。特に2年生におけるA群の割合と3年生における割合が他の学年に比べて多いことがわかる。

ABC群における学年の割合
群/学年 1年 2年 3年 合計
A群 203名 238名 208名 649名
31.3% 36.7% 32.0%
B群 282名 248名 251名 781名
36.1% 31.8% 32.1%
C群 202名 203名 237名 642名
31.5% 31.6% 36.9%

※百分率は学年の中での割合


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