研究紀要第96号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -070/162page
(2)学校不適応意識に関して
1.各質問肢にみる学校不適応意識
2-1「授業中は楽しいですか」
授業の楽しさは、「はい」「時々」を合わせて楽しいという回答が約80%である。授業を楽しく思う傾向は、C,B,A群の順に少なくなる。つまり、不適応状態を示す割合が大きい生徒ほど授業を楽しく思っていない傾向がみられる。
2-2「学校のことを考えると、気持ちが沈むことがありますか」
学校のことを考えて気が沈む傾向は、A群に強い。A群は、「時々」を含めると70%を超える。
2-3「学校のことを考えると、夜なかなか眠れないことがありますか」
A群の場合には「多い」「時々」を合わせると31.1%が、眠れないことがあると回答しており、学校の中で何か気がかりなことを抱えて悩んでいるのではないかと考えられる。
2-4「友達の目やうわさが気になることがありますか」
友達の目やうわさが気になることは、A,B,C群とも強い傾向にあり、その中でもA群は突出している。
2-5「学校では一人の方が気が楽だと思うことがありますか」
学校では一人の方が気が楽だと思う傾向は、A群に強い。また、A群に比べると、B,C群の方が一人でいることを嫌い、友人を求めようとしている。
2-6「友達がいなくてさぴしいと思うことがありますか」
友達がいなくてさびしいと思う傾向は、A群がB,C群に比べて、より強い。
つまり、適応状態を示すC群は、友達が多いということがわかる。しかし、不適応状態を示す割合が大きいA群の49.3%は、一人でいる方が気が楽だと思っていながらも、友達がいなくてさびしいとも感じている傾向にあることがわかる。
2-7「先生から注意されることがありますか」
教師からの注意を受ける場合は、A,B,C群とも多い。また、その中でもA群が、B,C群に比べて注意を受けることが多い傾向にある。