研究紀要第96号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -071/162page
2-8「先生や友達から嫌われていると思うことがありますか」
周りから嫌われていると思うことについては、A群が多く、B,C群は少ない。中でもA群は、「多い」と「時々」を合わせると、76.8%が嫌われていると思っている。周りの目を気にしながら注意されることが多く、嫌われているのではないかと思って、落ち込んでいるA群の姿が見える。不適応状態を示す割合が大きいA群の不安定な気持ち、存在感の少なさが感じられる。
2-9「クラスの人と一緒にいて、楽しいと思うことがありますか」
A,B,C各群の「いいえ」は、10%以下であり、クラスの人と一緒にいることについては、ほとんどが楽しさを感じていると言える。しかし、C群の「多い」が79.3%であるのに比べて、A群は、55%と少なく、交友関係の薄さが感じられる。
2-10「学校がいやで休みたいと思うことがありますか」
学校がいやで休みたいことについては、A群は「多い」と「時々」を合わせて、75.4%が休みたいと思っている。反面、C群は、「いいえ」だけで70.4%である。つまり、不適応状態を示す割合が大きいA群ほど、学校を休みたいと思うことが多いという傾向を示している。
2.学校不適応意識の学年間比較
2-2「学校のことを考えると、気持ちが沈むことがありますか」
学校のことを考えて気持ちが沈む傾向は、B,C群の場合は、それほど変動はない。しかし、A群の場合は、学年が上がるにつれて「多い」「時々」の割合が少しずつだが増えている。
2-4「友達の目やうわさが気になることがありますか」
友達の目やうわさが気になる傾向は、どの学年でも、A群が強く、「多い」「時々」を合わせると80%以上の生徒が、友人から自分がどう思われているかを気にしていることがわかる。