研究紀要第96号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -074/162page
2.集団イメージの考察
1-5「学級の仲間からどう見られているか気になりますか」
自分がどう見られているかを多くの生徒が気にしていることは、「はい」と回答したA群44.4%、B群35.0%、C群23.4%という高い数値の結果からわかる。
特にA群の生徒は、「はい」「少し」を合わせると84.1%となり、友人からどう見られるか気にしながら生活を送っていることがわかる。このことは、裏を返せば他人からのよい評価を得たいと願う気持ちの表れであると考えられる。
1-6「学級の人からよく思われようと無理して行動していますか」
「はい」と回答した生徒は、A・B・C群ともに2〜5%であり、それぞれの特徴的なところはみられない。
しかし、「少し」と答えた生徒にはA・B・C群の差異がはっきりと出ており、C群17.3%、B群26.2%、A群34.8%の順で無理していると答えた生徒が多くなる。
A群の生徒は学級の人からよく思われようと、時々自分自身を押さえながら行動していることがわかる。
1-7「学級の雰囲気は好きですか」
「はい」と回答したA群の生徒は28.1%、B群37.5%、C群47.2%となっており、グラフ全体から見ると、C群の生徒が学級の雰囲気を肯定的に見ているのに比べ、A群は否定的に見ている生徒の割合が多い。B群は、その中間に位置し、A群・B群・C群の差がはっきりしている。
「少し」と回答した生徒の割合を見ると、A群44.7%、B群45.8%、C群41.4%と、各群ともにほぼ同じ数値を示す。
学級の雰囲気にほぼ満足している生徒は、各群ともに同じであるが、学級の雰囲気を好きと見るか、好きでないと見るかとなると各群の差がはっきり表れている。
1-8「友達をつくりやすい学級ですか」
「はい」と回答した生徒はC群64.2%、B群54.8%、A群42.0%であり、C群の生徒は友達がつくりやすい学級であると感じているが、A群になると友達がつくりやすいと感じる生徒は減少する。
同じように「いいえ」と回答した生徒は、A群15.5%、B群8.6%、C群5.6%であり、A群の生徒ほど友達がっくりにくいとはっきり回答する生徒が多い。A群の生徒は学級の中で友達をうまくつくれないでいると考えられる。
3.まとめ
学校不適応を示す割合が大きい A群の生徒は、自分に自信を持てるものがありながらも、学級の友人から堂見ら得ているかを気にして、思ったように行動できないと感じている。
また、自分の内面を厳しく見つめ、自分の性格をを否定的にとらえる傾向が強く、学級の人からよく見られようと無理するところがある。
したがって、友達と円滑な関係がつくれず学級の雰囲気になじめない状態にあると思われる。