研究紀要第96号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -075/162page
(4)学校不適応の場面・理由・解決方法
1.場面・理由の質問肢別比較
ア 「とても」と「少し」を合わせた合計が最も高いのが、5一1「友達からかげ口を言われていると感じる」で68.1%にも達している。これは、友達から悪く思われたくない気持ちの強さを示している。(以下の項目についても「とても」と「少し」を合わせた合計で見ていく)
この他では、5-2「休み時間に話す友達がいない」でも50.0%となっている。以上のことから、 友人関係のことが、学校に行きたくない気持ちに大きく影響する ことがわかる。
一方、5-3「友達と表面的なつき合いしかできないと感じる」のような、内面に触れる質問内容については、38.5%と低くなっており、非難されたくはないが、それほど深い人間的交流を求めているわけではないということがわかる。
イ 友人関係以外では、5-12「学校で負担に感じる役割がある」で、53.0%と多く、 役割を果たせなかった場合、他の人からどのように見られるかという対人関係での不安がある と考えられる。
ウ 5-10「先生との関係がうまくいかない」も、41.2%ある。ここでは、特に「とても」と回答した生徒が、14.5%いることが目立つ。先生との関係がうまくいかなくなると、学校不適応の大きな要因になりやすいことを示唆している。
工 5-7「自分の性格をいやだなと感じる」も高く、39.5%である。これは劣等感に関する質問肢であるが、5-8「体型」に関する劣等感より高い割合となって表れている。
オ 学業や進路に関する質間肢では、5-5「希望通りの進路に進めそうにない」が35.1%となっ