研究紀要第96号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -076/162page

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ており、学業の面よりも高い結果となっている。中学生にとっての進路の問題は、学業のことよりも学校生活に影響を与えていることを示している。

 また5-6「受験のために勉強しろと言われる」も、33.1%となっている。これは「勉強しろ」と命令されることの反発があることを示している。一方、5-4「授業が理解できない」は26.2%と低くなっており、学習内容が理解できないことに学校不適応の原因があるのではないことがわかる。カ5-9「毎日の生活でやりたいことが見つからない」は、質問肢の中では、低い方とはいえ、それでも約30%という結果になっている。

 また、5-11「親との関係がうまくいかない」は19.5%であり、家庭の問題が学校に行きたくない気持ちの直接的な要因となることは少ない。

2.場面・理由の質問肢別3つの群の比較

 12の場面について、学校に行きたくない気持ちを持つ生徒の割合が3つの群でどう巽なるか比較してみると、いずれもA群が最も高く、B群、C群の順になっている。

5一1「友達からかげ口を言われていると感じる」
友達からかげ口を言われていると感じる


5一2「休み時間に話す友達がいない」
休み時間に話す友達がいない


5一3「友達と表面的なつき合いしかできないと感じる」
友達と表面的なつき合いしかできないと感じる


 友人関係にかかわる質問肢については、いずれも高い割合を示している。

 5-1の質問肢をみると、A群が最も高く75.1%にもなっており、以下、B群、C群の順になっている。それだけ, 学校不適応状態にある生徒の方がかげ口を言われることを気にしている ことがわかる。また、学校生活に適応している状態にあるC群においても、60.7%と高く、すべての生徒にとって最も気がかりなことであることがわかる。

 一方、5-2の質問肢についてみると、A群、B群、C群の差がほとんど見られない。同じ友人関係に関する質問肢ではあるが、5-1との違いが明瞭である。このことから、現在の学校生活での適応状況にかかわりなく、「話す友達がいるかどうか」ということが学校生活で占める割合は高く、たとえ、 学校生活に適応している状態にある生徒でも、学級内で孤立するようなことがあれば、約半数の生徒が、学校へ行きたくない気持ちを持つ ことを示している。

5一4「授業が理解できない」
授業が理解できない


5一5「希望通りの進路に進めそうにない」
希望通りの進路に進めそうにない


5一6「受験のために勉強しろといわれる」
受験のために勉強しろといわれる


 学業や進路に関して「とても」の回答でA群とC群を比較すると、5-4「授業が理解できない」


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