研究紀要第96号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -077/162page
ではA群が10.4%、C群が4.5%となっている。同様に5-5「希望通りの進路に進めそうにない」ではA群が15.6%、C群が7.2%、5-6「受験のために勉強しろと言われる」ではA群が14.2%、C群が5.5%と、A群の生徒の割合は、いずれも他の群の倍以上を示しており、深刻にとらえている生徒の多いことが気になるところである。
個人に関する質問肢の中では、5-7「自分の性格をいやだなと感じる」が高い。特にA群の生徒の割合が高く、「とても」の回答で比較すると、A群が17,0%、C群が4.2%となり、A群はC群の4倍以上になっている。このように、 自分の内面に対する劣等感を強く感じやすい生徒は、学校不適応に陥りやすい ということを示している。
これが5-8「体型」になると5-7「性格」よりも低くはなるものの、A群の生徒の割合が高いのは同じ傾向である。「とても」の回答で比較すると、A群が10.8%、C群が3.7%となっている。
目的意識にかかわる質問肢、5-9「毎日の生活でやりたいことが見つからない」を見ても同じような傾向で、「とても」の回答で比較すると、A群が11.9%、B群が6.1%、C群が4.1%となっている。学校不適応状態にある生徒の方が、目的が見いだせずにいる傾向が強く表れている。
この3つの質問肢の中では、5-10「先生との関係がうまくいかない」の中で、A群の「とても」の回答が多いのが、目立っ。3つの群を比較すると、A群が21.4%、B群が13.0%、C群が9.5%となっている。学校不適応状態にある生徒にとっては、先生との関係がうまくいかないと、学校に登校できない状態になりやすいのであろう。
また、5-11「親との関係がうまくいかない」では、学校へ行きたくない気持ちにつながりにくい結果ではあるが、A群では「とても」の回答が多い。学校不適応状態にある生徒にとっては、親子関係の影響でも、学校へ行きたくない気持ちになりやすいことを示している。
最後に、5-12「学校で負担に感じる役割がある」についても、上記5-11と同様の結果を示している。 学校生活で生徒が役割について、どのように感じているのか配慮が必要であろう。