研究紀要第96号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -082/162page
3.1年・2年・3年の比較
ア 1年生においては、 「成績・能力」「社会的規範」「校内活動」「他者からの承認」の4つの価値尺度で最も高くなっており、学校生活のさまざまな側面に価値を見いだしていることが読み取れる。
特に、「成績・能力」と「校内活動」が目につく ところであり、学習活動でも諸活動でも、意欲的に取り組もうとしている前向きな様子がうかがえる。
4.男女別の1年・2年・3年の比較
<男子>
ア 男子の学年別を比較してみると、1年生が、「成績・能力」と「校内活動」の2つの価値尺度で、高くなっているのが目につく。
これは、学校生活を学習面でも、学校内の諸活動においても充実させようという意欲の表れであると考えられる。
イ 3年生においては、「理想的自己像」と「対人交流」の価値尺度での高さが目につく。 活動することに前向きだった1年生と比較すると、自己の内面に目が向くようになり、他者との交流を積極的に求め、その中で、自己を高めていこうとしている姿に受け取れる。
ウ 2年生を見ると、この両者の狭間で、すべてが中途半端であり、何に価値を見いだしていいのかわからない状態に陥っているように受け取ることができる。
<女子>
イ男子の「理想的自己像」を見ると、学年が高くなるにつれて、価値観も高くなっていく傾向がが見られる。これは学年が高くなるにつれて、自分の内面に意識が向いていく過程を示しているといえよう。
ウ 女子の学年別を比較してみると、1年生が、