平成6年度 研究紀要 Vol.24 個人研究 -131/156page

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2 授業の実践

 開発した教育用ソフトウェアの有効性を検証するために,2っの学校において試行授業を行った。

(1) 授業実施校及ぴ期日

平成6年12月20日
 いわき市立平第五小学校

平成7年1月10日
 南会津郡田島町立荒海小学校

(2) 単元について

 3学年では,簡単な場合について同分母分数の加法,減法を学習してきたが,そこでは,真分数の構成についての理解を深めることに主眼がおかれており,くりあがりのないもののみを取り扱い,図解や数直線を媒介として考察してきた。また,4学年の前単元では,真分数,帯分数とその構成,及び仮分数と帯分数の相等とそれに基づく相互変換について理解させてきている。

 本単元では,分数の加法,減法の計算の一般的な方法を理解させ,その計算技能を伸ばすことがねらいになる。分数の加法,減法の計算は,単位の考えを使えば,これまでに学習した整数,小数などの加法,減法と構造的には同じであることをとらえさせたい。さらに,計算結果の表し方については,答えが仮分数になった場合は,このままの形にしておいてもまちがいではないが,仮分数より帯分数のほうが,おおよその大きさがとらえやすいので,原則として帯分数に直すように指導していきたい。

 また,コンピュータを活用し,個々の児童のレベルに対応したプログラムを作成することで,一単位時間の終末,あるいは単元全体のまとめの時間を中心として学習の定着が図れるようにしたい。

(3) 単元の目標

・ 帯分数の加減計算を既習の真分数の計算と関連させて考えようとする。

・ 帯分数の加減計算も,同分母の真分数の加減計算と同じ考え方でできることに気づく。

・ 同分母の帯分数の加法,減法の計算ができる。

・ 同分母の帯分数の加法,減法の計算の仕方が分かる。

(4) 指導計画 (総時数8時間)

目    標 活  動  内  容


3

・ 真分数の場合について同分母分数の加法及び減法の計算方法を理解するとともに,その計算能カを伸ばす。 ・ 同分母分数の加法計貫をする。
 (コンピュータ活用場面1)
・ 同分母分数の減法計算をする。
・ 帯分数から真分数をひいて答えが真分数になる減法計算をする。


3

・ 帯分数の場合について同分母分数の加法及び減法の計算方法を理解するとともに,その計算能カを伸ばす。 ・ 帯分数と帯分数,真分数の加法計算をする。
 (コンピュータ活用場面2)
・ 帯分数と帯分数,真分数の減法計算をする。
・ 3口の分数の加法計算をする。
 (コンピュータ活用場面3)


2

・ まとめ ・ 「練習」をする。
 (コンピュータ活用場面4)
・ 「まとめ」をする。

(5) 本時の目標

 帯分数の場合について同分母分数の加法計算の意味や方法を理解するとともに,個に応じたプログラムにより帯分数どうしの加法計算の能力を伸ばす。

(6) 指導過程


学習活動・内容
支援上の留意点 *評価



1. 本時の課題をつかむ。 5 ・ 真分数どうしの加法計算との違いを意識させる。
・ 分かっていること,求めることをしっかり押さえる。

2. 自カ解決する。
・ 今までの方法が使えないか考える。
10 ・ ヒントとして線分図や図で考えさせるよう援助する。
* 今までの方法と比較しながら考えようとする。



3. 帯分数どうしの加法計算の方法をまともる。
・ 自分の考えを発表し,加法計算の仕方を比較検討する。
15 ・ 一番簡単な方法は何かを考えながら聞くようにさせる
 (整数部と分数に分けて)
 (仮分数を帯分数に)


4. 練習問題を解く。
・ パソコンのコース2で練習する。
・ パソコンによる目已評価をしながら進める。
12 ・ パソコンを活用し,自分のぺ一スで問題を解くようにさせる。
* 帯分数どうしの加法計算ができる。



5 本時の学習のまとめをする。
6 .次時の予告をする。
3 ・ 帯分数どうしの加法計算の手順をまとめさせる。

(7) 授業の様子

 開発した教育用ソフトウェアは,授業の終末段階だけでなく,単元のまとめの段階にも活用した。


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