研究紀要第100号 「国際理解教育におけるソシオドラマの活用」 -081/156page

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数は,計111名であったが,平成6年には194名と大幅に増加している。

表2 中国帰国子女・海外勤務経験者帰国子女数 (単位:校,人)
区分 中国帰国子女
小学校 中学校
学校数 在籍数 学校数 在籍数 学校数 在籍数
S62 - 47 - 36 - 83
H元 16 46 12 24 28 70
2 27 41 13 19 40 60
3 8 31 8 19 18 50
4 15 46 13 25 28 71
5 10 44 9 28 19 72
6 12 51 14 42 26 93
 
区分 海外勤務帰国子女
小学校 中学校
学校数 在籍数 学校数 在籍数 学校数 在籍数
S62 - 41 - 13 - 54
H元 19 32 9 9 28 41
2 23 31 12 19 35 50
3 23 33 16 19 39 52
4 31 48 17 26 48 74
5 30 52 16 22 46 74
6 39 75 17 26 56 101
 
帰国児童生徒数計
137
111
110
102
145
146
194
(平成6年5月現在 教育庁義務教育課調べ)

4) 国際交流−国際姉妹校の状況

 平成6年現在,何らかの交流を行っている姉妹校は,県内で23校,海外の相手校では27校となっている。平成元年,2年に締結されたものが多く,対象国としてはオーストラリア11件,アメリカ6件などどちらかと言えば,白人先進国志向であり,アジアでは中国5件,韓国,フィリピンそれぞれ1件ずつである。

 このように福島県の国際化は,確実に進んでいる。

(2) 国際理解教育に対する福島県公立学校教師の意識

 では,このように進展する学校の国際化に対する教師の意識は,どのように変化しているであろうか。

 平成5年1月,県内の公立小・中・高等学校の教師1000名を無作為に抽出し,「国際化に関するアンケート」 5) 調査を実施した。

 このアンケート調査の結果をもとに,福島県公立学校教師の意識について簡単なスケッチを試み,当センターにおける「国際理解教育講座」の内容構成との関連などについて明らかにしたい。

○ 外国人児童生徒,中国・海外勤務経験者帰国子女,及び日系2世3世を教えて感じる困難さと問題

 外国人児童生徒や帰国子女に対する教育の経験者は,22.5%にのぼった。しかしその中で,「実際に教えてみて,困難を感じたことは何か」という問いに「(困難を感じたことは)ない」という答えが38.8%にのぼったのは驚くべきことに思われる。

 しかし一方では,「子供及び保護者とのコミュニケーション」「学級内の人間関係」「習慣等の違い」などが困難を感じた理由として多くの教師によって挙げられている。

 また,この調査と並行して,外国人児童生徒の多い学校に対する「聞き取り調査」 6) を実施したが,そこでも同様の結果が得られた。特に,食生活の相違からくる給食指導の困難さ(宗教上のタブー,味付けの違いなど),ストレスからくる(外国人児童生徒の)小暴力やいたずら,慣れない環境や母子分離不安からくる登校しぶり,体育や清掃前の一斉着替え,集団訓練,一斉清掃などに対する強い抵抗など,意識的無意識的価値観や文化の相違をお互いのコミュニケーションの不足が増幅して,問題をより困難にしているように感じられた。

 このため,外国人児童生徒をクラスに受け入れることについて過半数の教師は「受け入れたい」と答えているが,「あまり受け入れたくない」「分からない」がそれぞれ20%をこえており,教師の不安感を浮き彫りにしている。

 また「国際化とは何か」という問いに対して,単数選択で最も多かったものが「(外国人児童生徒を)特別視しない」39.7%,「異質な文化を理解尊重する」34.2%の二っであった。この選択には,国際化を冷静に見守る洞察力すら感じられる。


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