研究紀要第100号 「国際理解教育におけるソシオドラマの活用」 -087/156page
チャイム 「キン・・コン・・カン・コン・・・ キンコンカンコン… 」
(マリコ,担任に伴われてためらいがちに教室に入る)
担任 「おはよう」 児童たち 「おはようございます」 (マリコは,落ち着かないようす)
担任 (演習資料にしたがって) 「<u>皆さん,今日は新しいお友達を紹介します。</u>ブラジル<u>から来た</u>マリコ<u>さんです。お父さんのお仕事で,家族でつい先日日本に来たばかりで,日本語はこれからです。みんな,仲良くしてくださいね。</u>」
(下線部分は,演習資料の通りに読んだもの)(担任,マリコに動作であいさつするように促すが,マリコはためらっている)
マリコ 「(勇気を振り絞るように)わたし,マリコ,です。ブラジルから,来ました。わたしのお父さん,日本の会社,つとめています。
ニホンゴ,よく分からない,だから,よろしくおねがいします。」児童たち 「(拍手)」 担任 「それでは… マリコさん,あそこにすわってください」
(マリコ,席にっく)監督は,ここで一旦,ドラマをストップさせる。そして,もう一度,ここまでのドラマを再現するように指示する。
チャイムの音。担任とマリコの入室。担任の紹介まで。ここでストップ。
監督 「マリコさんは,教室に入る前に,こうやって教室をのぞきこむようにして…それから,入りましたね。どうしてですか。」 マリコ 「ええ… こわい… と思ったから・・」 監督 「恐かった。う−ん,なるほど。ぱあ−っとみんなの眼が集中して… 」 マリコ 「こう,突きささってくるみたいで… 」 監督 「突きささってくるみたいで,恐かったんですね。う−ん… 」
「では,担任の先生は,もう一度紹介してみましょう」(担任,紹介する)
[演習資料]
スムーズに,困難な印象を与えずに,ドラマの世界に誘導するためには,この程度のフレームを準備する必要があるように思う。
今日から日本の学校で
キャスト 転入生 マリコ(ブラジル,小5) 担任の先生 隣の席になる生徒 前の席になる生徒 後の席になる生徒 チャイム…… クラスの生徒 シーン1 転入生の紹介
(担任,転入生をつれて入室)
担任
「皆さん,今日は新しいお友達を紹介します。(ブラジル)から来た(マリコ)さんです。
お父さんのお仕事で,家族でつい先日日本に来たばかりで,日本語は,これからです。
みんな,仲良くしてくださいね。(担任は,転入生にあいさつするように促そうとして,「あいさつをしなさい」ということをどのように伝えたらよいか,迷う。
「 」ことば,もしくはノンヴァーバルなメツセージ。
転入生 r 」
(クラスの生徒たちは見守る。心のなかで,感じている。)