研究紀要第100号 「国際理解教育におけるソシオドラマの活用」 -091/156page
監督 「う−ん。そうですね。このへんは,ずいぶん仕事ぶりが良かったですよね。先生は,ダイアナさんに大分厳しくやられてましたけど,どうですか」 担任 「やっぱ,説得すんのがむずかしいですよね。たしかに,無言清掃には疑問があるんです。ぼくも,楽しく掃除してなんで悪いんだって,思いますから。
やっぱ,しっかりした根拠を持ってないと,全然だめですよね。」監督 「なるほど,疑問があるから,なかなか説得できない… 。あちらでさぼりの生徒を注意して,帰ってきたらダイアナとブリジットは遊んでる… 注意は,どうしてしなかったのかな」 担任 「う−ん,やっぱ,疲れます。(爆笑)まあ,最初からそんなにがんがんやることもないし… 」 ダイアナ 「わたしは,はじめから,あまり本気にしていないんです。へ−っ,好きだなって感じ。でもやっぱり,「何でもみんなで」って感じかな」 ブリジット 「どうぞ,お好きなように… ってところかな」 開拓民 「中国じゃ,めずらしくもないな。昔の人民公社みたいなもんだ」 グルカ 「ネパールでは,野糞などもしますから。文明だな,こりゃ。(爆笑)」 ミロ 「スペイン人は,昼寝をさせてもらいます。(爆笑)」 監督 「最後に,担任から何かありませんか」 担任 「日本の学校という存在が,やはり,日本社会の縮図なんだと… 」 監督 「う−ん,そうですね。いいところもあれば,悪いところもある。絶対だとお考えの方はいらっしゃらないでしょうが,我々は物事を惰性で考え,惰性で行動してしまうときが結構ありますから気をっけなくちゃいけないかも知れませんね」 7) 「8 学級づくり」
午前の演習の中で,外国籍の子女のいるクラスでどのように学級づくりをするかということが大きな関心を集めていたこともあり,校種別に6っのグループを作って,アイディアを出しあい話し合った。その結果を,全体で発表し,時間の都合から一っだけ選んでソシオドラマにした。最も得票が多かったのは,高校の「いも煮万博」で,これは8カ国の留学生を中心にお国自慢の料理をみんなで作り,食べるという趣向である。
出てきたものは,韓国「キムチ入りカルビ丼」中国「餃子」ロシア「ピロシキ」アイルランド「アイリッシュミスト」インド「カレー・モロヘイヤスープ」シンガポール「シンガポールサラダ」アラブ首長国連邦「ホブス・山羊の目玉と脳味噌・シュワルマ」などである。
食べたあと,ご馳走する側とされる側で感想を言って,交流を図った。