研究紀要第100号 「国際理解教育におけるソシオドラマの活用」 -092/156page
4 分析と評価
(1) 受講生の評価から
演習終了後,受講生に対してアンケートを依頼した。質問紙法と自由記述と併せて,感想の提示を依頼した。
まず,演習に対する評価を見てみたい。
「今日の演習をふりかえって」(35名)
4 … そう思う
3 … どちらかといえばそう思う
2 … どちらかといえばそう思わない
1 … そう思わない
質 問 事 項 4 3 2 1 1 演習の内容は自分の関心と一致していた。 4
11.4%20
57.1%11
31.4%2 演習から国際理解教育を理解するよいヒントが得られた。 16
45.7%17
48.6%2
5.7%3 演習の間,自由に自分を表現する雰囲気があった。 8
22.9%20
57.1%5
14.3%2
5.7%4 演習を通して,多くの先生方と親密になったような気がする。 19
54.3%15
42.9%1
2.9%5 演習の間,演習に集中できた。 20
57.1%13
37.1%2
5.7%6 演習で,国際理解以外にも新しい発見を感じた。 17
48.6%15
42.9%3
8.6%7 ソシオドラマでは,特別活動や授業でも使えると感じた。 15
42.9%17
48.6%2
5.7%1
2.9%8 ソシオドラマを自分もやってみたいと感じた。 12
34.3%16
45.7%7
20.0%9 ソシオドラマは,いますぐ自分にもやれると思う。 6
17.1%14
40.0%12
34.3%3
8.6%10 ソシオドラマを勉強する機会があれば参加したい。 12
34.3%18
51.4%4
11.4%1
2.9%11 演習は,全体として楽しかった。 21
60.0%13
47.1%1
2.9%12 全体として,演習を総合評価すると…… 23
65.7%11
31.4%1
2.9%「演習の内容と自分の関心との一致」は,肯定的評価が70%弱であるが,これは講座要項の作成送付の段階でまだ演習の内容が明確でなく,ソシオドラマが唐突に出てきたように感じられたのではないかと考えられる。
しかし,次の質問の「国際理解教育に関するヒント」という点ではほぼ全員が肯定的に評価している。これは「演習を通して親密になる」「演習に集中する」「国際理解以外にも新しい発見をする」「演習は楽しかった」などの項目に共通するもので,否定的な感想は僅少であった。
これは,演習を通しての私の印象とほぼ一致しており,なごやかで,思索的な雰囲気は保てたのではないかと思う。
ただ,「演習の間,自由に自分を表現する」では,否定的な回答が20%あり,課題を残した。それを予想してウォームアップを十分とるように努めたわけであるが,人数や時間的な制約,会場などの問題もあり,なかなか難しいところである。
ソシオドラマについての問いでは,「特別活動や授業でも使える」「勉強する機会があれば参加したい」と思いながら「自分もやってみたい」となると徐々に否定的な答えが増えてくる。「今すぐ自分もやれる」となると,半分近くが否定的になるが,それはやむを得ないかもしれない。
[自由記述]
「1 今回の演習で,何を学んだり,感じ取ったり,考えたりできたでしょうか」
この問いに対して,回答の記述が明確に複数であったものを次に記す。
・ 国際理解教育は,人間理解がその基本であると実感した。(6名)
・ 他人を知る,自分を知る,または見っめなおす手法(ソシオドラマ)を知ることができた。(4名)