研究紀要第97号 「福島県における「学力向上」に関する考察」 -010/156page
2 国語について
国語について,生徒たちはどのように考えているのだろうか。国語学習に対する意識や,好き嫌い,学習に対する行動などについて調査した。
なお,スペースの関係で,グラフや表は一部しか載せていない。詳しくは,本センター発行の調査報告書をご覧いただきたい。
1 国語学習に対する意識
(1) 国語の教科イメージ
「分かりやすい」「楽しい」といったイメージは40〜50%と比較的低いが,「感じ方・考え方がたくさんある」「新しいことを知ったり,自分の考えを深める」などは,85%がそう答えている。「努力すればできるようになる」というイメージも高い。
教科観(全学年)
1 楽しい
2 わかりやすい
3 こつこつ学習すると得意になれる
4 新しいことを知ったり、自分の考えを深められる
5 読み取りでは、考え方や感じ方がたくさんある
6 日本語のことばをより正しく使えるようにする
全体として,教科の意義は感じているものの,もう一つ親しみ難さを感じているように思われる。これは,学年がすすむにつれてマイナスイメージが増加していることと併せて,検討される必要があるように思われる。
(2) 国語に対する好き嫌い
国語に対する好き嫌いは,次のとおりである。
(3) 国語を,いつ好き(嫌い)になったか。
国語が好きになった時期は,小学校5年と中学校1年の時が多い。
一方,嫌いになった時期としては,中学校1年が圧倒的に多い。中学1年時が,国語を好きになるか嫌いになるかの岐路になっている。
(4) 好きに(嫌いに)なった理由
国語を好きになったわけとしては,「読むことが好き」「漢字が好き」「役に立つ」「授業が楽しい」などの理由が目立つ。
嫌いになったわけとして, 「書くことが嫌い」「文法が嫌い」「授業が楽しく分からない」などの理由が多い。
生徒の好き嫌いの意識を決定付ける要因として,低学年は,「授業」や「教師」など学習環境面の要因が強く,高学年は,「成績」や教科内容にかかわる要因が強い。