研究紀要第97号 「福島県における「学力向上」に関する考察」 -013/156page
3 数学について
数学について,生徒たちはどのように考えているのだろうか。数学学習に対する意識や,好き嫌い,数学の学び方などにうついて調査した。
なお,国語同様,スペースの関係で,グラフや表は一部しか載せていない。詳しくは,本センター発行の調査報告書をご覧いただきたい。
1 数学学習に対する意識
(1) 数学の教科イメージ
数学は,「こつこつ勉強する」「なぜそうなるか分かる」「解き方がいろいろある」「将来役に立つ」教科であると,大半の生徒が考えている。これは成績上位者には,特に強く見られる傾向である。しかし,1年生のとき,70%前後もの生徒が,「楽しい」「分かりやすい」「どちらかと言えば楽しい」「どちらかといえば分かりやすい」と答えているが,2,3年生になると次第に減少して半分以下になつている。
学習指導に関するアンケート調査 数学 学年別
(2) 数学を学ぶ目的 (1つまたは2つ選択)
数学を学ぶ目的について,「数学が好き」「頭の働きを良くする」といった非功利的な目的意識は乏しい。成績に関係なく,「テスト」 「学校の科目」「高校入試」 「大学入試」というような実際的で,功利的な目的が大半である。
(3) 数学が,好きか嫌いか。
「どちらかといえば好き」まで含めれば,1年時に75%もいた生徒たちが,2年で40%になってしまう。
(4) 好きな学習内容 (1位に選んだもの)
図形編を選ぶ生徒は少なく,数量編を選ぶ者が多い。「分数や正・負の数の計算」 「文字式の計算」などには親しみがあり,特に3年生ではその傾向が強まる。