研究紀要第97号 「福島県における「学力向上」に関する考察」 -018/156page
(2) テストの解答を見直すか。
見直しをていねいにしているのは1年生で,学年が上がるほど,ぞんざいになる傾向が感じられる。
(3) どのような家庭学習をしているか。
2,3年生になるほど,「予習」が増えているのは,学習の難易度との関連があるものと考えられる。
(4) 授業で,このような新しい英文を読むとき,どんな気持ちで読みますか。
(最初に英文の一部を示し,普段の勉強を思い出させながら回答させた。)
Eng1ish is a very important language today.It's spoken … (以下,略) 3年生になると「仕方なく読む」という,”白けた気分”が強くなっていることが分かる。
(5) 英語で文をつくるとき
この項目においても,2,3年生の意欲のなさが目立つ。「面倒くさい」という答えが,急激に増加しているのである。
3 まとめ
中学生になり,生徒たちはさまざまな思いで新しい教科「英語」を迎える。この教科が,国際社会で活躍するために必要な教科であり,受験にも必要な教科であることを,生徒たちはよく自覚している。また,未知の「外国語の世界」にいよいよ足を踏み入れる期待と興奮に胸をわくわくさせてこの教科に向かうのである。
従って,1年の1学期は,この教科と生徒とが幸福な出会いを持つことができるかどうかの重要な時期である。調査の結果,この時期が生徒の「英語好き・嫌い」の分節点になりていることは,そのことを裏書きしている。そして,この後,学年が上がるにつれて両極化は一層進んでいくように見える。
最後に,次の2つのことを付け加えておきたい。好き嫌いにかかわらず,3学年を通してほとんどの生徒が「英語力をつけたい」と心の中では望んでいること。そして,3学年を通して生徒たちは英語に「楽しく,おもしろい授業」を望んでいることである。