研究紀要第98号 「環境教育講座の在り方を求めて」 -033/156page

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4) 学習過程 注)T1:家庭科教師,T2:理科教師 3,4,5,校時

学習活動・内容 時間 ・ 教師の指導と支援 :ロ 評価
1. 前時の学習を振り返り,本時の課題をとらえる。
エコ・クッキングを通して環境を考えよう
5分 ・T1 前時に話し合ったエコ・クッキングの観点を想起させることで,環境を考えた調理実習及び実験への意欲を高める。
2. エコ・クッキングの観点と手順を確認する。
・ 生ごみを減らす工夫
 残采の利用(ポタージュへ)を中心に取り組む。
・ 水を汚さない工夫
 実験を通して,よい方法を確認してから食器洗いに取り組む。
10 ・T1 班ごとの残采の量を比較するので,残采はすべて三角コーナーに入れるように指示する。
・T1 試食後,実験(水質調査,生物への影響)を行ってから,一番よいと思う方法で食器を洗うことを確認する。ただし,フライパン,鍋,ミキサーなどは,試食の前に後始末するように指示する。

 

3. エコ・クッキングに取り組む。
朝食の献立
卵焼きと野菜添え,ポタージュ,パン

エコ・クッキングに取り組んでいる写真
65 ・T1 調理計画に基づき,食材を有効に利用して実習に取り組むよう指示する。また,三角コーナーや排水口にストッキングをかけるなど班ごとに,自分達の考えでごみをできるだけ流さない工夫をするよう指示する。
・T2 初めての調理実習なので,班ごとに協力して実習に取り組むよう指示するとともに安全面での注意を班ごとに助言する。
ロ 食材を有効に利用しようとしているか。また,ごみをできるだけ流さないよう工夫しながら実習に取り組んでいるか。
4. 盛り付けをし,試食する。
洗い方の違いによる,排水の汚れ度を調べよう
10 ・T1 盛り付けを創意工夫させ,写真に撮り記録として残す。
・T2 実験で使用する器具や試薬については,事前に理科で河川の水質調査を行い,使用法やその数値の意味などをとらえさせておく。
5. 拡販ごとに洗い方を分担し,排水をとる。
(例)・水で洗う。
   ・標準使用濃度の洗剤液で洗う。
   ・3倍濃度の洗剤液で洗う。
   ・汚れを拭き取った後,水で洗う。
   ・汚れを拭き取った後,標準使用濃度の洗剤液で洗う。

食器を洗うときの条件

10 ・T1 洗い方は,事前に分担を決めておく。その際生活経験などを基に,水を汚さないようにするにはどうしたらよいかを考えさせる。その上で,できるだけ生徒の意見を生かした洗い方をする。
・T2 洗う食器(一食分)や洗い水(2l),すすぎ水(6l)についたは,各班とも条件をそろえ,準備しておく。すすぎは,ためすすぎをすることで水資源の観点から水を大切にすることにも気付かせるようにする。
ロ 分担した洗い方に基ずいて食器を洗い,正しく排水をとっているか。
6. 排水の水質実験を行い,結果を発表する。
1)実験の内容・方法を確認する。
2)実験を通して,排水の汚れ度を調べる。
排水の水質調査
・パックテストによるCODの測定
・透明度の測定
(ペットボトルによる簡易測定法)
生物(ヒメダカ)に対する影響
30 ・T2 ペットボトルなど身近な素材を活用して実験に取り組ませることにより,授業後も自分達で容易に排水の汚れ度を調べられることを認識させる。
・T2 ヒメダカは8lの排水に2匹ずつ入れ,動きを観察させる。ヒメダカは苦しくなると尾びれの動きが激しくなることを知らせ,動きにより適宜メダカを引き上げるよう指示する。
・T1 食器を洗ってみての感触や汚れの落ち具合などについても観察させる。


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