研究紀要第98号 「環境教育講座の在り方を求めて」 -039/156page

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関係をとらえることができ,以前より環境に対して意識して考えるようになった。さらに今後も実践化が図れるように,環境教育の視点から実習を行っていきたい。(家庭科担当)<福島市立平野中学校>

(7) 試行授業のまとめ

 前述の結果や児童・生徒の感想などから,本教材のねらいの一っである環境保全に関する意識の高揚は,十分に達成できたものと考える。特に,関心の低い児童・生徒の意識の高揚がみられたこと,試行授業後,ごみを減らすことや水を汚さないことを考えての生活の意識では,ほぼ全員が「できると思う」「少しはできると思う」と答えていることなどから,本教材は意識の高揚を図る面では有効であったと思われる。

 一方,本教材の大きなねらいである実践力の育成面では,情意面での高まりが即実践には結び付かなかったことから,実践的・体験的活動の一層の充実を図るための工夫と改善が課題として残った。今後,さらに教科間の連携を模索しつつ年間指導計画の中の位置付けを検討し,環境教育の指導を系統だてて発展できるようにしていきたい。

資料 授業で使用したワークシート

(1) 高等学校の授業で使用したワークシート

台所の排水の汚れをしらべよう!    (1)班 氏名 (M男)
1 排水の汚れ度を調べるために
・COD(パックテスト)・透明度・その他(食器の汚れ落ち,臭い等)
2 洗い方の違いによる,排水の汚れ度
洗 い 方 COD 透 明 度 そ の 他
1) 水で洗う         (6班) 18ppm 白く濁っている。 食器の油汚れが残る。
2) 標準濃度の洗剤で洗う(1班) 30ppm かなり白く濁っている。 食器の汚れは落ちた。泡が少し浮いていた。
3) 3倍濃度の洗剤で洗う (4班) 30ppm かなり白く濁っている。 汚れは落ちた。泡がたくさん浮いていた。
4) 布・紙でふいてから水で洗う
               (3,7,8班)
3ppm
3ppm
2ppm
けっこう透明
けっこう透明
透 明
けっこうきれいに落ちた。
キュキュと音がした。
油っぼさが少ない。
5) 布・紙でふいてから洗剤で洗う
                (2,5班)
5ppm
5ppm
けっこう透明
けっこう透明
きれいに落ちた。
泡もなく排水も汚れていない。
3 あなたの班の排水の場合、水質環境基準を達成するためには何倍に薄めなければならないか。それにはきれいな水が何 l 必要か。

(1班) 30ppmを3ppmにするには・・ 30÷3=10倍 8 l x10倍=80 l →洗いおけ8杯分

4 二本松市の人口は約35000人です。1日に出る排水は1人当たり約300 l といわれています。二本松市の排水は,全体で1日約何 l となるか。その排水のCODが100ppmの場合,水質環境基準を達成するには何 l の水が必要か。
35000人x33.3=349650000 l  →洗いおけ34965000 杯

小学校授業風景:排水をとる
小学校授業風景:排水をとる

中学校授業風景:排水実験の説明を聞く
中学校授業風景:排水実験の説明を聞く


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