研究紀要第98号 「環境教育講座の在り方を求めて」 -042/156page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

資  料

I 野外研修に関する教材

理化学的水質調査法

1 教材のねらい

 パックテストや溶存酸素計,PH計等を用いて生活排水路や河川の水質を調べ,水質の状況を把握するとともに,生活排水が河川の水質に及ぼす影響について考察する。

2 教材の概要

(1) 児童・生徒が簡単にできるパックテストを用いて,水中のリン酸イオンや化学的酸素消費量(COD),残留塩素の量を測定する。

(2) 溶存酸素計,電子導電率計,PH計,濁度・色度計などの機器を用い,水中の溶存酸素の量,電導度,PH値および水の濁度,色度を測定する。

(3) 家庭の生活排水が流入する地点とそれが大きな河川に通じる排水路の中間,そして河川の計3か所で(1),(2)を行う。

(4) データを整理して,考察する。

排水路でのパックテストを用いた水質調査
排水路でのパックテストを用いた水質調査

3 成果

 パックテストは校種を問わず簡単に活用できるので,これを用いた水質の理化学的な調査の仕方を理解できた。様々な機器の使い方や水質汚濁の観点が理解できた。

4 反省点

 授業での活用の仕方に校種の差が見られ,活用法と指導法について配慮する必要があった。

水生生物を指標とした水質調査法

1 教材のねらい

 水中に生息している生物の種類や量の調査を行い,その結果と理化学的測定結果を比較検討して,その地点の水質について総合的に考察する。

2 教材の概要

(1) 環境庁水質保全局作成の「水生生物による水質調査法」に準拠して調査を行う。

(2) (1)の結果から河川の水質をI〜IVの4つの階級のいずれに該当するかを判定する。

摺上川での水生生物を指標とした水質調査
摺上川での水生生物を指標とした水質調査

3 成果

 水中の手のひら大の石に水生生物が生息している様子を実体験できた。また,調査の結果を理化学的測定結果と比較したことで,両方のデータの意味する内容をより深く理解できた。

4 反省点

 時期が遅く,水生生物の種類が少なかった。また,きれいな水に生息する種類と汚れた水に生息する種類の生物が同一場所で見られ,判定が困難な調査地点もあった。

不快指数調査法

1 教材のねらい

 大気の基本要素である気温と湿度の測定を基にして,不快指数を調べる。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。