研究紀要第98号 「環境教育講座の在り方を求めて」 -046/156page
4 反省点
マップ作りの意図と環境教育のかかわりについて,講座の中では十分に伝えることができなかった。
ごみ問題を考える 1 教材のねらい
教育センター近くの道路を実際に歩いてごみを収集,分別する作業を行う中で,環境保全の意識を高めるためにごみ問題をどう教材化するかを考える。
2 教材の概要
(1) 環境教育について特に,生産・消費・廃棄・再利用の視点から学習する。
(2) ごみの収集,分別を行う。
(3) ごみ問題をテーマにした授業の展開について話し合う。
(4) 資源の有効利用や環境保全の意識化を図る。
3 成果
日常は無意識にごみの処理を行うことが多いが,今回の実習のようにしっかりした視点をもって,ごみの収集・分別を行うことによって,ごみ問題解決への意識を高めることができた。
4 反省点
ごみ問題を環境教育の視点からどう教材化するかについては,十分に深めることができなかった。さらにその活動の評価をどう行っていくかなどについての問題点が残った。
II 室内研修に関する教材
先進校での環境教育の取り組み 1 教材のねらい
授業で環境教育に実際に取り組む場合の考え方,先進校での実践内容を具体的に知ることにより,学校で環境教育を実践する際の方法についての認識を深める。
併せて,安全な飲み水について調べる。
2 教材の概要
(1) 学校で環境教育に取り組む場合の考え方について,次の点から取り上げる。
1) 学校における環境教育の目的について
2) 教育計画への適切な位置付け,環境カリキュラムの作成の必要性について
3) 地域や生活に関わりの深い事象を対象とした教材の必要性について
4) 五感を生かした体験的な活動の必要性につて
5) 放送教材,新聞,マルチメディア等の機器の活用について
(2) 先進校での環境教育への取り組みについて,具体的な実践内容を取り上げた。
仙台市立福室小学校での環境教育への取り組みについて,環境学習の指導案,6学年における環境教育関連単元表,環境情報カードの活用,グループ研究の報告書,かべ新聞などを参考にして,実際の実践内容についてビデオの視聴をする。
(3) 我々の生活に最も関連の深い「飲み水」を,次のような点から取り上げる。
1) 日本の「飲み水」の汚染状況
2) 「飲み水」がわれわれのところにくるまでの仕組み
3) 「飲み水」のチェック方法
4) 安全でおいしい「飲み水」の条件
5) 実験・実習「安全な飲み水を調べる」
おいしい「飲み水」について実際に化学的に調べ併せていろいろな水を実際に飲んでみて味を比較する。
3 成果
環境教育を学校で実践する際の具体的な方法について示唆を与えることができた。多くの先生方が「学校での環境教育の進め方について具体的なイメージを持つことができた」という感想を持った。
4 反省点
(1) 取り上げた学校が他県の学校ということで,自分達の学校との間に大きなギャップがあると感じた先生が多かった。できるならば県内の学校での実践を取り上げた方がよかった。