研究紀要第99号 「学校不適応児童生徒への援助の在り方に関する研究」 -055/156page
○ 「君のその答え,待ってたよ」 ○ 「よくひらめいたね」 ○ 「うん,勢いがあってよかったなあ」 ○ 「そうだね」 ○ 「なるほどねえ」 ○ 「ううん」 ○ 「ああ,そうかあ」 ○ 「…してみようか。 (…してみてはどうかな)」 ○ 「…は,どのように感じるかな」 ○ 「CC君,どう思う」 ○ 「CCさん,別な点から考えるのも一っだね」 次のような言葉は慎みたい。 ・ 「こんなことが君にできなかったとは…」 ・ 「まあ,いい。次」 ・ 「…しなさい」 ・ 「…してはだめだ」 ・ 「こんなこともわからないのか」 ・ 「それでも,中学生か」 2 学級の実態
事前に調査した本試案実践2学級の学校不適応状態の実態は,以下のとおりである。
不適応状態 人数 A 群 11 B 群 26 C 群 36 C群の生徒が全体の約半数をしめており,他の学級と比較すると,全体的に適応状態は良好である。しかし,A群の生徒が約15%存在するのも事実である。以上の実態を踏まえ,ここでは,本試案の効果をA群生徒の変容を中心に探っていきたいと考える。
3 実践の様子
試案は,実践の主体を学級担任とするが,授業の中での実践については,各教科担任にも協力を依頼して実践した。
(1) 日常の生活時間の中での実践
先の「1(2)声かけの内容」を基本として,それぞれの学級担任の持ち味を生かした声かけの実践をした。
声かけを行ったのは,朝自習の時間と朝の学活,昼食時間とその後の休み時間,帰りの学活と放課後などである。何気ない声かけを中心に,生徒一人一人の表情や活動をよく観察して励ましや賞賛をしたり,意欲づけを図ったりする声かけを心がけた。ときには,間違いを叱る声かけも行ったが,そのような際には,間違った行為のみを叱るようにして生徒の気持ちは受容的に受け止めるようにした。
(2) 授業の中での実践
試案を実践した2学級の授業は,以下のとおりである。このうち,参観した各学級の授業の一部を紹介する。
実践授業一覧 (・は参観授業) (1組) ・9月7日 社会科(実践者:教科担任) ・9月9日 理 科(実践者:教科担任) ・9月9日 数学科(実践者:教科担任) ・9月12日 家庭科(実践者:学級担任) ・ ・9月13日 美術科(実践者:教科担任) ・9月17日 国語科(実践者:教科担任) (2組) ・9月7日 英語科(実践者:教科担任) ・9月9日 社会科(実践者:教科担任) ・9月12日 道 徳(実践者:学級担任) ・ ・9月16日 国語科(実践者:学級担任) ・9月17日 学級活動(実践者:学級担任) 1) 1組参観授業:学級担任による家庭科
試案実践の立場から,本時は,意図的に生徒一人一人の発言や発表を大事に取り上げることをねらった授業である。
(本時は,商品やサービスの購入についての学
習が中心となる。以下は,授業の導入間もない
ときの様子である。)教師 どんな販売方法があるかな。 生徒 店で売ってるのを買う。