研究紀要第101号 「学力診断テスト開発に関する研究」 -008/170page

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(2)チンパンジーのようすを思いうかべながら読みましたか。
 1.はい 2.少し 3.いいえ

(3)おもしろいと思って読んだところがありますか。
 1.はい 2.少し 3.いいえ

(4)チンパンジーについての文章がこのあともつづきますが、もつと読んでみたいと思いますか。
 1.はい 2.少し 3.いいえ

二 あなたはこの文章を読んでどんなことを思いましたか。思ったことをたくさん解答用紙に書いてみましょう。
 この問題では,文章を読んで理解していくことに対する関心・意欲・態度と,文章を読んで自分の思ったことを表現することに対する関心・意欲・態度を診断することをねらいとした。
ここでは,次のような素材の工夫をした。
・「チンバンジーが,かぜをひいたらどうするのか」という児童が興味をそそられる内容を取り上げ,文章を自作した。
・児童にとって内容や様子がよくとらえられるよう,平易な文章にし,表現も工夫した。 設問の仕方については,次のような工夫をした。
・文章を読んで理解することに対する関心・意欲・態度を診断する要素として,「内容をわかろうとする」「様子を思い浮かべようとする」「感想をもって読もうとする」「続きの文章を読もうとする」をあげ,その程度を「はい」「少し」いいえ」から選択できるようにした。
・文章を読んで自分の思ったことを表現することに対する関心・意欲・態度を診断する設問では,読んで思ったことを数多く書くよう指示し、その書いた量をとらえるようにした。
4 信憑性,客観性をもたせるための工夫

 問題を作成したあと,予備テスト・本テストの結呆を分析して,より信憑性のあるもの,客観性のあるものに修正した。
 その例を,小学校4年の漢字の問題からあげる。
<原案〉
一. 次の_を引いてある部分にあてはまる漢字と同じ漢字を使うものを一つ選び,番号を書きましょう。
(2) 

 1.
 2.
 3.歴
 4.
 この間題は,学習した漢字であり,特に難しいとは考えられないので,難(3割)易(7割)の分類て,易の問題として設定した。
しかし、予備調査の結果,正答率は,55%と低かった。そこで,この問題を分析してみた。
・「試」は,4年で学習する漢字であり,教科書(光村図書)では,「試食会」という熟語で学習している。
・「試験一の「験」,「歴史」,「司会」も,4年,または4年以前に学習する漢字であり,教科書(光村図書)では,このままの熟語で学習している。
・「指名」の「指」は,3年で学習する漢字であるが,「し」という読みは,教科書(光村図書)によれぱ,5年で学習する。
 以上から,この問題が低かった原因は,「試練」という熟語を知らないこと,「指」の「し」という読みを学習していないことがあげられた。
そこで修正案では,「し練」を「し食会」と訂正し,難の問題として扱うことにした。
本調査の結果では,正答率が,59%と若千高くなり,難の問題としても適切な数値になった。


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