研究紀要第101号 「学力診断テスト開発に関する研究」 -007/170page
音声言語の指導の重視に対応するために,小学校だけでなく,中学校においても,「聞き取り」のテストを全学年に配置した。これにより,「聞き取り」に関する児童・生徒の学習状況を,小学佼・中学校を通して,各学年ごとに診断できるようにした。
金しようとした話に感動して
(7)これは何を述べようとした記事ですか。
見出しなどのように簡潔に答えなさい。
設問の工夫としては,特に,中学校1年の問題で特徴ある工夫をした。中学校1年は,中学校3カ年の基礎的な段階であるため,「聞き取り」をする際の最も基礎的な事項に焦点を当てて,設問を作成した。
具体的には,次の内容を設問とした。
・「5W1H」〔誰が(Who),いつ(When),どこで(Where),何を(What)どのように(How)なぜ(Why)〕
・話の意図〔話し手が伝えようとしたこと〕
また,テストを受けながら「聞き取り」をする
際の基礎的な事項を身につけることができるように,次のような工夫をした。
・設間の文に「5W1H」を明示し,その中のいくつかは解答も付け加えた。
・テストの設問を見てから,話の内容の「聞き取り」をするという方法をとった。
「聞き取り」のテストで使う話の素材としては,中学校1年に限らず,次のような工夫をした。
話の分量は,学年が進むにつれ,しだいに多くなるようにした。
・話の内容は,児童・生徒が興味をもって聞くことができるように,話題を身近な内容に求め,ものの見方・考え方の伸長につながる内容のものにした。
(2) 小学4年,「言語に対する関心・意欲・態度」の間題
[二]次の文章を読んであとの問いに答えましょう。 一 この文章から,あなたは次の四つのことについて,どう思いましたか。それぞれにもっともあてはまると思うものを,1.〜3.から一つ選び,その番号を書きましょう。
チンパンジーはかぜをひいたらどうするのでしょうか。
もともと,チンパンジーの住む密林(みつりん)には,かぜのもとになるウイルスは,なかったようです。しかし,いつごろからか人間が密林(みつりん)に入るようになると,チンパンジーもかぜにかかるようになってしまいました。どうやら人間が勝手(かって)にかぜのもとを運んでしまったようなのです。
かぜにかかったチンパンジーは,はなを「かむ」ということを知りません。だから,はなじるがたまると息(いき)をするのが苦しくなります。
がまんできなくなると,チンパンジーは,やわらかい小えだを折ってきて,はなのあなの中に入れて,コチョコチョとやります。すると,大きなくしゃみがでて,たくさんのはなじるが,ふん火したように一度にふきだしてしまいます。
はなのまわりにいっぱいになった,ねばりけのあるはなじるを,チンパンジーは自分の手でぬぐい取ります。
(1) どんなことが書かれているか,わかろうとしましたか。
1.はい2.少し3.いいえ