研究紀要第101号 「学力診断テスト開発に関する研究」 -013/170page

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算数・数学科

1 教科でめざすテスト開発
 算数・数学科では,学習指導要領に示された新学力観に基づく児童生徒一人一人の学習状況や学力の実態を的確に把握し,個性や能力に応じた学習指導の質的改善を図ろうとする目的で開発してきた。
 具体的には,学習指導要録の4つの観点,「算数(数学)への関心・意欲・態度」「数学的な考え方」 「数量や図形についての表現・処理(数学的な表現・処理)」「数量や図形などについての知識・理解」に基づき,観点別に問題を作成し,診断を試みようとした。その際に,各観点ごとに領域がバランス良く配列するよう配慮してきた。
 また,教科では,「数学的な考え方」と「表現・処理」の観点に約7割の問題数とし,全体を通して,基礎・基本的な問題を約7割,発展的な問題を約3割の割合として構成した。
 問題の配列に関して,観点別に易しい問題から順に難しい問題となるようにし,領域を分離して配列しようと配慮した。解答の仕方において,各観点ごとに選択式を中心としたが,各観点に必ず記述による解答を含め,学年によっては,図形を作図する力やグラフを描く能力をみる設問を取り人れるなどの工夫を行った。
 「知識・理解」「表現・処理」の観点については基礎的・基本的な内容の定着が図られているかどうかをみる設間とし,「数学的な考え方」の観点では,文章題を中心に出題し,数量や図形の関係を統合・発展的に考察したりする力が身についているかどうかをみる設問とした。また,「関心・意欲・態度」の観点では,算数・数学全般と各領域の面から,よさや有用性に対する意識や進んで生活に生かそうとする態度についてとらえようと配慮した。なお,記述式の設問はオープンエンドな問題とし,学んだことを生かして自分なりになるべく多くの問題を作ろうとする意欲をとらえようと配慮した。

2 要素表に基づく設問項目

観点 数量や図形についての表現・処理
到達目標 整数や小数などの簡単な計算ができ, それらを目的に応じて適切に用いたり, 簡単な量を測定したりするとともに,基 本的な図形を調べ,数量の関係を式で表 したりよんだりすることができる。
診断要素 診断内容
数と計算 ・四拾五入などの方法でがい数を求 めることができる。
・整数の乗法についての計算が確実 にできる。
・除数が2位数の乗法の計算が筆算 形式でできる。
・小数の加・減法ができる。
・乗数や除数が整数の場合の小数の 乗法及び除法の計算ができる。
・同分母分数の加・減法ができる。
・四則になり立つ性質や相互関係を 用いて検算などができる。
・そろばんによる加法及び減法の計 算ができる。
量と測定 ・正方形及び長方形の面積を求める ことができる。
・角の大きさを分度器を用いて測定 したり,角をかいたりすることが できる。
図形 ・台形・平行四辺形・ひし形を作図 することができる。
・立方体や直方体の展開図をかいて 構成することができる。


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