研究紀要第101号 「学力診断テスト開発に関する研究」 -014/170page

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診断要素 診断内容
図形 ・空問にあるものの位置を表すことができる。
数量関係 ・簡単な場合について,対応させる数量を考えたり,値の組を表などに表したりして,2量の関係を調べることができる。
・変化の様子を折れ線グラフなどに表したり,それからの変化の特徴を読み取ったりすることができる。
・四則混合した式や()を用いた式を正しく計算することができる。
・数量の関係を口や△を用いて表し□や△に当てはまる数を求めることができる。
・2つの事柄に関して起こり得る場合について,落ちや重なりがないように調べることができる。
・資料を折れ線グラフなどに表したり,グラフから特徴や傾向を調べたりすることができる。

 上記の要素表は,小学校4年の「表現・処理」の観点であるが,「数と計算」の診断要素からは,整数の乗法,乗数が整数の小数の乗法,整数の除法と易から難への問題配列をするとともに,基礎的な技能が身についているかどうかを診断できるよう配慮した。
 「量と測定」の診断要素では,長方形の求積の設問での解答選択肢を単位を同じくして目的に応じて数値を選べる内容とした。「図形」の診断要素においては,ひし形が四辺が等しいことだけでなく,二組の対角がそれぞれ等しい対角線が互いに垂直に交わることやそれぞれ他の対角線が二等分されていることなどの性質が,作図によって理解されているかどうかをみる設問とした。

3 素材設間の工夫

(1) 小学校第6学年
 算数科の学習内容を観点にそって,仮に「知識・理解」と「表現・処理」とに,あるいは「表現・処理」と「数学的な考え方」とに区別しても,どこまでが「知識・理解」で,どこからが「表現・処理」で,「数学的な考え方」なのかといった区別は極めて暖昧である。
 したがって,ある設問の内容を「表現・処理」の能力をみるものとしても,それは必然的に「知識・理解」の能力や「数学的な考え方」の能力をみるものと少なからず重複し,関連しているものである。
このことが本テストの設問に際しての大きな間題となった。
 そこで,この点については,テスト結果を処理する段階において,「この設間については特にこの観点で」というように焦点化して分析し,評価していけるように工夫して設問することにした。
 その具体的な内容について,小学校第6学年用と中学校第2学年用を例にして述べる。
  1.第6学年用第2部(表現・処理)
 前学年までの整数,小数の四則計算,分数の加減法計算を受けて,6学年においては,分数の乗除法計算や整数,小数,分数の混合計算等を学習し,整数,小数,分数の四則演算の学習のまとめをすることになる。
 そこで,それらの計算力が身についたかどうかをみるために,[1]では,分数の乗除法と整数,小数,分数の混合計算から各2問の4つの小問を設けた。
 まず,(1)の分数の乗法については,2口の分数の


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