研究紀要第101号 「学力診断テスト開発に関する研究」 -017/170page

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理科

1 教科でめざすテスト開発

 理科の問題開発に当たっては,小学校,中学校とも学習指導要領の理科の目標を受け,自然に対する親しみや関心,自然を調べようとする能力や態度,自然事象に対する理解の程度を診断するとともに,科学的な見方や考え方ができるかどうかを診断できるような問題を開発することを基本方針とした。
 具体的には,指導要録の4つの観点,「自然事象への関心・意欲・態度」,「科学的な思考」,「観察・実験の技能・表現」,「自然事象についての知識・理解」別に問題を作成することとした。診断の結果は,「自然事象への関心・意欲・態度」の観点については5段階で評価し,他の3つの観点については100点満点で評価することにした。その際,応用・発展的な内容は主として「科学的な思考」の観点で診断するようにし,この観点の配点を他の観点よりも多くした。
 以下観点別に問題作成の具体的方針をあげる。

 「自然事象についての知識・理解」に関する問題
1 学習内容の定着状況を診断できるようにする。
2 基礎的,基本的内容を問う。
3 各学年の学習内容の全領域からバランスよく出題する。
4 解答形式はすべて選択式とする。
5 正答率80%を目安とする。
6 配点は30/100点とする。
 「観察・実験の技能・表現」に関する間題
1 観察や実験によって身に付けた技能や表現力を診断できるようにする。
2 基礎的,基本的な内容を中心に出題するが,若干,応用・発展的な問題も含める。
3 データの処理など,科学の方法や技法を問う問題も含める。
4 解答形式は選択式を原則とするが,表現力をみるため記述式も含める。(グラフをかく,図解するなど)
5 正答率70%を目安とする。
6 配点は30/100点とする。
 「科学的な思考」に関する問題
1 理科の学習で身に付けた科学的思考力を診断できるようにする。
2 応用的,発展的な問題を3割程度含める。ただし,知識・理解の問題を単に難しくしただけにならないように配慮する。
 ・いくつかの知識を組み合わせて考えることによって解決するような問題
 ・与えられた条件から先を予測するような問題
 ・規則性を発見したり,判断の根拠を説明したりするような問題
 ・数量的思考や創意・工夫を必要とする問題
3 問題を解決するための基礎になる内容は学習していることを前提とする。
4 各領域からバランスよく出題することを原則とする。
5 小問の配列はなるべく基礎から応用・発展の順にする。
6 解答形式は選択式を原則とするが,必要に応じ記述式も含める。
7 正答率60%を目安とする。
8 配点は40/100点とする。
 「自然事象への関心・意欲・態度」に関する間題
1 下記の事柄に関する,関心・意欲・態度の程度を診断できるようにする。
 ・自然の事物・現象に対する関心
 ・白然の事物・現象を調べようとする意欲
 ・自然の事物・現象を人問生活とのかかわりでみようとする態度
 ・自然環境を保全しようとする態度
 ・生命を尊重しようとする態度
2 各学年の学習内容に関連のあるものを出題することを原則とするが,応用・発展的なものも含める。
3 解答形式は選択式と記述式を併用する。
4 評価は5段階で行う。


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