研究紀要第102号 「福島県の小学生の学習に対する意識と行動」 -047/170page
算数
1 アンケート作成の趣旨
算数の学習に対する児童の意識と行動の実態を探るため,次のプロットを立て,アンケートを作成した。
(1) 算数のイメージ
算数の学習に対して,楽しさ,わかりやすさなど,児童がどのような教科イメージをもっているかについて探る。
(2) 算数の学習に対する好き嫌いとそうなった時期
児童にとって,算数の学習が好きか嫌いかを探る。また,いつ好き(嫌い)になったのか,その時期について探る。
(3) 算数のわかりにくい単元(学年別)
調査学年の1学期及び前学年の学習内容の中で,わかりにくかった単元名は何であるか,学年別に探る。
(4) 算数の学習に対する自主性,授業に対する期待など
授業中の意識として,わかるまでがんばろうとしたなどの自主性について探る。また,学習の進め方の速さなど,児童の学習に対する期待がどうであるかについて探る。
(5) 算数の授業中,授業後の学習行動
発表や質問などの授業中における学習行動の様子を探る。また,テストで間違えた時,やり直そうとするかどうかなど,児童の授業後の学習行動についても探る。
(6) 算数における児童が好きな学習形態
グループ学習やビデオなどを使った学習など,算数の学習における児童が好きな学習形態を探る。
(7) 算数の学び方に対する好き嫌い
ものを使って考えてみるなど,算数の学習の学び方に関する児童の受けとめ方を探る。
2アンケートの結果と考察
(1) 算数のイメージ
1.調査結果
次のグラフは,算数のイメージについての調査結果である。
2.考察
「楽しい教科」「わかリやすい教科」の2項目は「そうです」「どちらかといえばそうです」を合わせた肯定的な回答は,どちらも約65%である。「まじめに勉強するとわかる教科」「計算ができることが大切な教科」以下の4項目は,80%を超える児童が肯定的な回答をしている。これらは,いずれも学習する意義や大切さを問うも一のである。
また,「新しい考えを見つけることが大切な教科」の問いにおいても,83.7%の児童が肯定的な回答をしていることは,注目してよいであろう。