研究紀要第102号 「福島県の小学生の学習に対する意識と行動」 -050/170page
2.考察
4年が,一番難しいと感じた単元は,3年で学習した「口をつかった式」であり,53.0%の児童が難しさを感じている(グラフ7)。この単元は,数量関係を□などを用いて式で表したり,それをよんだつすることをねらいとしている。この内容は,5年で学習する,「文字と式」の学習につながっていくものである。
5年では,4年で学習した「がい数」が一番難しい単元としてあげられており,45.O%の児童が難しさを感じている(グラフ8)。教科書では,がい数処理として,主に「四捨五入」を取り上げている。
6年については,学習した単元の中で一番難しいと感じた単元が,5年で学習した「単位量当たりの大きさ」注3である(グラフ9)。45.0%の児童が難しさを感じている。その理由は,「異種の2つの量の割合」の学習が児童にとって難しいと考えられる。この他にも,5年で学習する「文字と式」(37.3%),「百分率とグラフ」(35.3%),「体積」(34.7%),「倍数と約数」(34.3%)などに難しさを感じている。
(4) 算数の学習に対する自主性,授業に対する期待など
1.調査結果
次のグラフは,算数の学習に対する白主性,授業に対する期待などに関する調査結果である。
注3「学力到達度調査研究報告書」の「小学校5年算数」の結果を見ると,「単位量当たりの大きさ」の問題は,県の通過卒(正答率)が19%,全国を100とした場合,全国比73である。
2.考察
「わかるまでがんばろうとした」「よくわかった(問題が解けた)」の2つの項目における「なんどもあった」と「ときどきあった」を合わせた肯定的な回答は,それぞれ82.O%,86.4%である。しかし,「もっと他の問題を解きたいと思った」の問いにおける肯定的な回答は,63.5%である。「よくわかった(問題が解けた)」と感じる児童が86.4%であることを考えると,さらに他の問題に挑戦してみようとする意欲づけが必要であろう。
「友達の考えを知って,自分の考えが変わった」における肯定的な回答は,65.0%である。
算数の授業中「友達からほめられた」「先生にほめられた」ことが,「なんどもあった」「ときどきあった」と感じている児童が,それぞれ36.O%,38.4%である。
しかし,「先生にほめられた」ことがないと感じて