研究紀要第102号 「福島県の小学生の学習に対する意識と行動」 -053/170page
(6) 算数における児童が好きな学習形態
2.考察
1.調査結果
次のグラフは,児童にとって,どのような学習形態が好きかをきいた調査結果である。
「先生の説明や,話を聞くことが中心の学習」「自分で考えたり,クラス全員で考えを出し合ったりして進める学習」以下の4項目における「好きです」「どちらかといえば好きです」を合わせた肯定的な回答は,いずれも約70%である。
「OHP・ビテオなどをつかった学習」「コンピュータをつかった学習」の2項目については,授業で使用している児童にとって,「とても好き」「どちらかといえば好き」の割合が高い。しかし,欠測値(授業で使われたことがない値)が,それぞれ9.8%,44.7%である。児童にとっての学習環境を整え,児童の学習スタイルに応じる指導のためにも,今後,コンピュータや教育機器などの積極的な活用が必要であろう。
○ 学年別に見たグループ学習の好き嫌い(下位児)次のグラフは,グループ学習に対する下位児の意識を,学年別に見たものである。
上位児と中位児は,ほぽ70%以上が好んでいる傾向があるのに対して,下位児は53.O%である。
下位児の傾向を学年別に見ると,グループ学習が,「とても好き」「どちらかといえば好き」を合わせると,4年40.7%,5年51.4%,6年64.3%である。学年が進むにつれてグループ学習を好む傾向が見られる。下位児において,このような傾向が見られたことは,注目に値する。
下位児の学習意欲を高めるために,グループ学習を積極的に取り入れていくことが必要であろう。