研究紀要第103号 「児童生徒の学校適応への指導援助の在り方に関する研究」 -064/170page
(資料4)小学校での演算の概要
第1回「わたしはだあれ」
ねらい 組替えになり,友達との輪を広げるために,自分のことを友達へ知ってもらうためのピーアールをする。(分類1.) 概要 自己紹介を自分の自由な表現であげることにより,自己理解を深める。また,他の人に知ってほしいことを自己ピーアールし合う。 留意点 3年生ということからピーアールの内容にっいては・事前に調査しておき,発表も教師の方で行う。 順応への手だて みんなに知られていないよい面を教帥の側からの情報提供をし,印象深いイメージを与えていく。
第2回「あなたへのメッセージ」
ねらい 大きな自分のシルエットの中に全員からのメッセージをもらい、友逢との関係から自分を知る(分類1.) 概要 大きな画用紙に自分のシルエットをOHPで映し出し,その中に全員からのメッセージをもらう。 留意点 大きな自分のシルェットをOHPで映し出し・教師が全員分を画用紙に書いて,準備しておく。 順応への手だて 自分へのメッセージをもらったリ友達へ書いてあげることにより,自分と友達との関係を深めていく。
第3回「ミラーリング・サークルミラー」
ねらい 自分の感情を自由に表現し合うことで,自分の感情を表出させ,お互いをよく知リ合うことにより,2人の関係を深める、(分類2.) 概要 2人組で鏡と映し出す役になり,交互に鏡に映す動作を行い,自分の感情を思い切り表現し合う。 留意点 どんどん自由に表現していけるよう2人から4人・8人と大きくしたり,音楽をかけ,雰囲気作リをする。 順応への手だて 表現の得意でない順応の児童生徒も,楽しくのびのびと表現できるよう表現力豊かな相手と組ませる。
第4回「いいとこ見つけた」
ねらい 男女の仲をよくするため,よさをどんどん表現し合い,それぞれが感じた思いを,自己主張し合う。(分類3.) 概要 8人程度の男女別のグループになり,それぞれ男子は女子の,女子は男子のよいところを発表し合う。 留意点 グループのリーダーには全員が自分の意見が言えるよう注意させる。教師も机間指導して歩く。 順応への手だて 1人ずつでは発表しにくいので,グループを作ってそこで自分の主張ができるよう配慮する。
第5同「どちらを選ぷ」
ねらい 一人一人が自分の好みや思いをみんなの前で発表できるよう,旗や場所移動による方法で自己主張をする。(分類3.) 概要 まず,2者選択をして自分の好みを旗で表現する。次に4つの中から1つを選んで教室の表示揚所に移動して自分の好みを発表する。 留意点 簡単に自己主張できる方法から,いくつかの中から選択する方法へと組み合わせた演習を行う。 順応への手だて なかなか自己決定できない児童生徒がいても,自分の意志で決めることの大切さを強調し,温かく待ってやる。
第1回「後ろの目」
ねらい 友達を自分がどのくらい関心を持っていたか自覚し,改めて自分と友達との関係を振り返る。(分類1.) 概要 グループ内の一人についてどんな服装をしてきたかなど,知っていることを話し合い,お互いをよく知っているかについて振り返る。 留意点 教師ができるだけ、順応の子どもの情報を収集し・みんなにその情報を広める働きをする。 順応への手だて 順応の子どもは,自分を目立たせないことが多いことに気づかせる。また,意図的に指名して発表させ,みんなの関心を引かせる。
第2回「テレパシー」
ねらい 相手にどんな動作をすれば自分の言いたいことが通じるか考え,自己表現の工夫をする。(分類2.) 概要 教師とテレパシーを送る児童生徒で送る内容を決め,もう1人に言葉を使わず,身振り手振りで表現し,分かってもうらよう伝える。 留意点 学年に合うコメントを考え、カードに書いて渡しておく。相手を変え,多くの仲間意識を作る。 順応への手だて 心を開けそうなペアの組み合わせを意図的に考えてやり,信頼関係を作りやすくする。
第3回「私はだあれ」
ねらい 学級の友達のよさや特徴を発表し合い,みんなに今まで知られなかった情報を与え,自己開示をする。(分類1.) 概要 自己紹介を自分の自由な表現ですることにより,自己理解を深める。また,他の人に知ってほしいことを自己ピーアールし合う。 留意点 アンケートを事前に行うなどをして,教師も情報を集めておく。 順応への手だて みんなに知られていないよい面を教師の側から提供し,印象深いイメージを与えていく。
第4回「表現DOING」
ねらい 緊張をなくし,相手に身を任せたり,自分が思った感情を素直に表現することができる。(分類2.) 概要 5・6人のグループになり,ある物を次の人に身体で自分なリに表現しながら伝え,渡していく。 留意点 何でも自由に表現していい時間であることを強調し,楽しい雰囲気作りに心がける。 順応への手だて 自分の表現したい動作をのぴのびと周囲を気にせず,行えるよう助言して回る。
第5回「あなたはだあれ」
ねらい 友達に関する情報を発表し合い,友達への自分の接し方に気づいて,自己理解を深める。(分類3.) 概要 1回目の「私はだあれ」で自分をピーアールした内容をヒントに,友達について知っていることを発表し合う。 留意点 友達の名前ばかり当てようとして友達の悪い面を発表し含うのではなく,よい面や特徹を発表させる。 順応への手だて 順応への順応の子どもを意図的に最初に持ってきて,興味・関心を高め,手だて特徴やよい面にみんなの注意を引かせる。