研究紀要第103号 「児童生徒の学校適応への指導援助の在り方に関する研究」 -074/170page

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(2)学級生活のアンケート調査から
 本年度の実践終了時に、研究協力学級で事前調査と同じアンケートを行った。
 抽出児童生徒4名の学級生活のアンケートの事前、事後の調査結果を比較したものが、(資料15)である。
A子
  1.
考え
2.
気配
3.
充実
4.
承認
5.
楽し
6.
依存
7.
目標
8.
所属
9.
役割
10.
違い
11.
違生
事前 2 3 3 3 4 2 3 2 2 3 3
事後 3 3 4 3 4 3 4 4 3 3 4

B男
  1.
考え
2.
気配
3.
充実
4.
承認
5.
楽し
6.
依存
7.
目標
8.
所属
9.
役割
10.
違い
11.
違生
事前 2 3 2 2 3 2 2 3 2 2 2
事後 2 3 3 3 3 2 4 4 2 3 3

C男
  1.
考え
2.
気配
3.
充実
4.
承認
5.
楽し
6.
依存
7.
目標
8.
所属
9.
役割
10.
違い
11.
違生
事前 2 2 3 2 3 2 1 3 2 2 2
事後 3 2 3 3 3 3 1 4 2 2 4

  1.
考え
2.
気配
3.
充実
4.
承認
5.
楽し
6.
依存
7.
目標
8.
所属
9.
役割
10.
違い
11.
違生
事前 3 2 3 2 4 2 2 2 2 2 3
事後 3 3 3 2 4 2 2 3 2 3 3

 特に顕著な変容が見られたのは、8.学級への所属感の項目で、4名とも評価が高くなっている。
 これは、構成的グループ・エンカウンターを中心とした指導援助により自己理解や他者理解が深まり、学級集団に対する関心・思い入れが強くなってきたためと考えられる。このことからも、それぞれの学級において、好ましい人間関係が築かれてきている様子がうかがえる。

2 学級全体の変容
(1) 事後調査の結果から

 学級生活のアンケート結果を、各項目ごとに学級平均を算出し、事前と事後を比較して学級全体の変容をとらえることとした。(資料16)は、中学校N学級のアンケートの結果を、グラフ化したものである。

(資料16)学級生活のアンケート結果《各項目ごとの学級全体の平均》
(資料16)学級生活のアンケート結果《各項目ごとの学級全体の平均》

 ほとんどの項目でプラスの変容が見られ、特に、1、3、7、8、9、の項目での変容が他より大きかった。
この中の8と9は今年度の研究でねらった項目であり、自己理解や他者理解の深まりが、学級への所属感と学級への関心を高めたものと思われる。
 なお、他の校種・学級でも、ほとんど同じような傾向がみられた。
(2) 担任の観察から
 第1年次の実践後、各校種の担任の観察でも、以下のような変容が認められた。
小学校3年
〇 昼休みに男女が一緒に遊ぶようになった。
〇 明るくなった。
〇 素直な表現ができる子供が増えた。
〇 のびのびしてきた。
〇 友達を意識するようになった。
〇 けんかが少なくなった。
〇 学級がまとまってきた。


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