研究紀要第104号 「児童生徒の学校適応への指導援助の在り方に関する研究 第1年次」 -089/170page
○ 活動から
[遊戯的活動1] 指導援助者と肩を組み,言葉を交わしながら,海を眺めたり,砂浜に腰を下ろして,音楽を聞いたりして遊戯的活動を行う。
最初は,緊張感から静かな雰囲気である。しかし,上級生が下級生の後ろ姿に砂をかけたことがきっかけになり,本来の活気がよみがえり,寄せる波に喚声をあげる者,拾い集めた貝殻の模様を自慢げに仲間に語りかける者等,次第に,心理的解放が進み,生き生きと活動する様子が見られるようになる。
[遊戯的活動2] 児童生徒は,最初,衣服等が汚れることを気にして,活動への取り組みを渋っているが,自分たちの思いが作品として形作られるようになってくると,表情が豊かになり,徐々に,動きが活発になってくる。
ここでは,遊戯的活動が単なる遊びに流れないようにするため,「振り返り」の中で,児童生徒一人一人が作品への思いを語ることによって,創作意欲が高まる。
〈実際例2〉
○ 野外炊飯(生活的活動)
○ ねらい
共同活動により,集団生活への参加意欲を高め,仲間との交流で円滑な対人関係をつくる。
○ 活動
○ 活動から
[異年齢の交流1] 最初,野外炊飯に必要な作業の役割分担の話し合いを行ったが,負担に思う作業を相手に押しつける者,負担を感じて尻込みする者が出る。
そこで,振り返りの中で,不登校児童生徒にとって苦手な対人関係を円滑にするために,「自分の気持ちの伝え方と相手の考えの受け止め方」について,作業の役割分担を仲間同士で円滑に進める場面を設定し,指導援助者二人(T1,