平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究1 -102/170page
4.「読み取るときの考え方」を使った学習に対する意識
「読み取るときの考え方」を使っていけば,「内容がつかめる」,「読み取る力がつく」と思った生徒が多かった。
《検証授業2》
1 検証授業2の構想 (1) 授業者 郡山市立三代小学校教諭
吉田知裕先生
(2) 対象児童 同5年1組9名
(3) 単元名 作品のおもしろさを
(4) 教材名 「わらぐつの中の神様」杉みき子
(光村図書,5年,下)
(5) 研究仮説の具体的な手だて
検証授業1の実践の結果から,明らかにされた課題をふまえ,また,小学校5年の発達段階を考慮して,次のような具体的な手だてを立てた。
1.三つの要素の表現
児童には,次のように表現を変えて示す。2.ワークシートの使用
A 本文に書いてあることば
B 気づいたこと
〜ということは…
〜と書いてあるので…
C なぜ、そう思ったか
三つの要素をおさえながら,読み取りをすることができるように,次のようなワークシートを作成する。本文のことばを抜き出す時間を省き,本文とつなげて考えることを容易にするため,本文を載せたワークシートにする。このワークシートは,一人調べで読み取りをしたり,話し合いで発言したりするときに使用する。なお,このワークシートは,学習しやすくするために,裏面を貼り合わせて本の形にする。 (資料5,9ぺ一ジ参照)
3.ワークシートに書き込んだ例の提示
検証授業1で行ったと同じように,以前に学習した本教材と同じ文種の教材「ごんきつね」(新美南吉,光村図書,4年,下)を取り上げ,以下のような,ワークシートに書き込んだ例を,単元導入時に提示して説明し,練習する。 (資料4,次ぺ一ジ参照)
4.「手がかりとなることばのとらえ方」(C)の「なぜ、そう思ったのか」を考える観点の提示
検証授業1の結果から,三つの要素をおさえた読み取りをしていく上で,最も難しい要素は,Cの「なぜ,そういえるのか」の部分であった。このCの部分を説明することの難しさの原因は,Cを説明するときに,どのように考えればよいかがわからないことと考えられる。
そこで,次のような,観点を例として示す。
1. ことばの意味から
2. ことばのイメージ・感じから
3. そのことばの使い方から
(どんなとき使うか)