平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究2 -108/170page

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II 研究の内容・方法

1 本研究の用語の定義付け
(1) 情意面
 興味・関心,意欲,態度のことであり,いわゆる,生徒が「学ぼうとする力」ととらえる。
(2) 情意面を高める指導法
 学習の個性化・個別化を図るとともに,教師の個別指導や支援を十分行えるモデル教材等を開発し,それらを生かして生徒一人一人が自己の個性や特性に応じて自主的に学習できるようにする指導過程を工夫する。つまり,生徒の「学ぷ力」を高める指導法とする。
(3) 基礎学力
 新学力観が目指す「生徒が獲得し,その後の学習の中で活用できる基礎的な知識・理解と科学的な見方・考え方(思考力)」とする。つまり,生徒が「学んで得た力」とする。

2 研究対象生徒の実態[中学1年男女計240人]
(1) 理科の学習はおもしろいと思いますか。
(おもしろい) 4 3 2 1 (おもしろくない)
  25% 48% 20% 7%  

(2)「季節のできる理由」は分かりましたか。
(分かる) 4 3 2 1 (分からない)
  17% 55% 22% 6%  

(3) 体重50s重の人が片足で体重計に乗ると何s重を示すか。正解61%(誤答例25s重,45s重)
(4) 冬の昼間が短い理由を述べなさい。
(既学習内容)正解9%(63%は記入なし)
以上の結果から,(1)を見ると対象生徒の73%が理科に興味関心を示し,(2)から直前の学習事項は72%の生徒が「分かった」としている。
 しかし,(3)(4)のように身近な体重測定の正解率が61%であり,直前の既学習内容が9%の正解率であることから,生徒のアンケート結果はある程度の知識・理解に裏付けられた興味・関心によるとは言い難い。また,(4)の正解が9%では基礎学力も十分とは言えない。

3改善方策  課題提示に一時的に見せるだけのものではなく,指導過程全体の中で活用できる生徒参加型の教材開発と指導法を工夫する。(図表一1参照)
(1) 下記1.から4.の改善方策を踏まえ,身近な素材を用いた安価で多く作れる教材を開発する。
 1.一目で学習のねらいやつくりが分かる簡単な教材とし,生徒の興味・関心や意欲を高めるとともに,学習の見通しをもてるようにする。
 2.生徒一人一人が自分の学習スタイルや特性に合わせて探究学習や表現活動が行なえる。

図表―1 研究構想図
図表―1 研究構想図


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