平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究2 -109/170page

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 3.とくに空間的な事象を教科書や資料等の平面的な図解でなく,具体物を用いて立体的に提示して生徒の思考を助け,理解しやすくする。
 4.教師の個別指導や支援を容易にする。
(2) 生徒参加型とする学習過程の工夫
 1.本時学習のねらいを確認後,各自が開発教材を手にし,簡単な使用法の説明を受けながら興味・関心と意欲を高め,学習の見通しをもつ。
 2.一人一人が開発教材を自ら工夫して活用し,探究活動や考察を行い,自分なリの考えをまとめる。そのため,教師は解説や使用法の説明をできるだけ控え,支援を重視した指導を行う。
 3.開発した教材を用いて自分の考えや理解したことを発表し,班やクラス全体で検討しながら学習したことをまとめ,確かな知識・理解にまで高める。

4 評価方法
 事前・事後の実態調査から次の効果を調べる。
(1) 理科学習に対する生徒の情意面の変容
(2) 研究教材に対する知識・理解と思考力の変容
(3) 研究対象教材以外の知識・理解,思考力の変容
 (既学習内容の理解度や身近な自然事象に対する思考力の変容等)
(4) 生徒・教師の感想を通した情意面の変容

写真―1 金星モデル実験器の授業風景
写真―1 金星モデル実験器の授業風景

5 研究単元について
(1) 研究単元・・中学校1学年理科「天体」
 (「太陽系」・・金星と火星の視運動2時間)
(2) 研究単元の情意面と基礎学力
 1.情意面・・身近な自然事象としての天体に対する興味・関心と,自ら探究して解決しようとする興味・関心,意欲,態度
 2. 基礎学力・・太陽系の理解と空間概念の習得及び,後の学習に対する「学ぷ力」
(3) 指導上の問題点
 1.天体観測は主に夜間であつ,観測時期も限定され,また,その日の天候などにより観測は左右される。これらの理由から生徒の観測体験も少ない。
 (事前の観測:金星……19%火星……13%)
 2.天体の学習に対する情意面
 (問1)あなたは天体の勉強は好きですか。
(好き) 4 3 2 1 (嫌い)
  19% 52% 22% 7%  

 (問2)夏の夜が短い理由を述べなさい。
 (既学習)正解……9%(63%は記入なし)
 人口衛星が常に飛び回っている現在,生徒は天体に興味・関心があると答えているが(71%),問2のように正解が9%と少ないことは本当の意味での興味・関心は低いと思われる。

写真―2 火星の視運動を調べる授業風景
写真―2 火星の視運動を調べる授業風景


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