平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究2 -112/170page

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2火星の視運動のシミュレーションと作図法
(1) 指導のねらい
 火星の観測は時期が限られ,1年以上もかかるため生徒の継続した観測は不可能に近い。そのため,観測データを基にシミュレートしたり作図法で探究したりして問題点や理由を考えさせ,天体事象の基礎・基本や空間概念を得させる。
 火星の視運動は観測データを天球座標のグラフに記入させても調べられる。ただし,方位が赤緯や赤経となっているし,角度は60進法であるためグラフ作成の指導に多大の時間がかかり,学習のねらいそのものがおろそかになりがちである。
 自作したソフトは授業の能率化を図り,さらに,生徒の探究や思考時間を確保することもねらいとしたものである。
(2) 火星の視運動のシミュレーション
 1.火星の視運動を単にシミュレーションとして見せると,生徒はテレビと同じく見るだけになりがちで,真の探究学習にならない。
 生徒が自ら観測データを期日ごとに1個ずつコンピュータに入力し,入力順に変化する火星の視運動を体験的にとらえさせる生徒参加型の学習活動にして生徒の意欲や理解を高める。
         (P8の図表一9参照)

写真―3 データ入力画面
写真―3 データ入力画面

(データを入力すると1ずつシミュレートされる。バックキーを押すとデータも図も1つずつ訂正)
 2.火星の視運動を調べるソフトの内容
 初め次のようなメニュー画面が出る。
 火星の視運動(順行・留・逆行)の探求
 メニュー
 1 火星の視運動の観察
 2 データ入力と視運動   何番を選びますか。
 3 火星の視運動データの確認  番号を入力して下さい
 4 火星の視運動の原理
 5 火星の視運動の再生
  (再生終了後2から4を押す)
 6 データの削除    (数値の間違いはF9を押す)
 7 おわり       (制作福島県教育センター)

そのねらいは
 1 導入としてのシミュレーション画面
 2 生徒の期日ごとのデータ入力画面
 3 入力した観測値のデータ表とその確認
 (F7キーを押すと全データを記入できる)
 4 火星の視運動の理由の考察や確認画面(結果は答にもなるのて,4番でなく,400番ではたらく。適時に教師指示。写真一4参照)
 5 観測データの再生
 6 後のクラスのためのデータ削除

写真―4 火星の視運動の理由を説明する画面
写真―4 火星の視運動の理由を説明する画面

(観測期日ごとに地球から火星に向けての線を引くと,一回転する火星の視運動が理解できる)


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