平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究2 -113/170page
3.コンピュータソフトの活用法
(3) 指導上の留意点
ア コンピュータのBASIC言語を使ってメニュー画面を呼び出せば,その後の画面の指示にしたがって活用できるようにした。
イ 間違って入力したときはバックキーを押すとデータ値や図を1つずつ順に削除できるようにした。
(2) 火星の視運動の作図による探究学習
1.中心に太陽を描き,内側に地球,外側に火星の公転軌道と観測点を印刷した用紙を用い,観測期日ごとに地球から火星の方向に15p線を引いて頂点を結んでいくと,火星の視運動を考えさせたり,火星が見かけ上,順行・留・逆行して一回転して動いているように見える理由を探究することができる。(図表一6参照)
2.指導例(図表一7参照)
1.火星の視運動を探求する方法は,コンピュータによる方法と作図法による方法の2つを準備し,生徒の希望に合わせて自由に選択させる。能力の高い生徒には両方行わせるとよい。
2.コンピュータの操作については生徒よって技能差が大きい。遅い生徒は心理的な圧迫が大きくなるので,適時,教師はその生徒のF7キーを押して全データを瞬時に記入してやる。(初めはF7キーによる操作内容,方法は生徒に知らせないでおく)
3.コンピュータ活用や作図法は生徒にとって非常におもしろいため,夢中になってこれだけで終わってしまいがちなので留意する。
ただし,多少時間を多く取っても,あとの発表会や検討会,まとめはしっかり行うようにする。
図表一7火星の視運動の指導例
学習活動と内容 時間 指導上の留意点●評価 1 火星の視運動について話し合う
○ 外惑星・夜中も観察可能
○ 火星運行のシミュレーション
○ 順行・留・逆行
5 ○ コンピュータ室の利用
○ 生活体験からの想起。
○ 図解等で体験していないものへの興味・関心を高める。
○ コンピュータシミュレーションで火星の視運動を見せ,問題点を把握させる。
2 火星の視運動探究法の選択
○ コンピュータ→*3A
○ 作図法→*3B
5 ○ 探究法を簡単に説明する。
○ 生徒に自由に選択させる。
○ ゆとりがあったら他方も。
○ T・T方式の指導・支援。
*3A 観測デ一夕からの火星の視運動再現
○ 使用法の演示
○ 各班でデータ入力
○ 結果について考察
25 ○ 2人1台コンピュータ活用。
○ データ入力法、訂正法等を実演しながら説明する。
○ 各自,自由に理由を考察させ,ソフトメニュー400番を押して考え,確認させる。
*3B 火星の視運動の作図による探究
○ 地球から火星へ15p線を引き,頂点を赤点に
○ 赤点を結び,1回転を確認
25 ○ 地球から火星への視線考察。
○ 地球から火星に引いた線の頂点が楕円状に動くことを確認させ,実感させる。
● 火星の視運動を中心とした空間的な見方・考え方をつかめたか。
4 火星の視運動のまとめ
○ 太陽を中心とした地球・火星の運行
○ 火星は外惑星で,公転周期が長い
○ そのため火星の順行・留・逆行現象15 ○ 生徒の発表を中心に、コンピュータや作図の資料を活用してまとめる。
● 作図,コンピュータ画面の太陽・地球・火星の位置関係を把握させ,地球から火星に引いた線の意味を確認する。