平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究3 -119/170page

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る。    【視点4】
(3) 展開上の工夫
1. 塩化銅の電気分解の実験だけでなく,塩化銅の合成の実験も行うことによりラ物質の成り立ちについて十分理解を深めるようにする。【工夫1】
2. ファラデー説とアレニウス説の検討場面において,白い沈殿が生成されるイオン反応による化学変化についての実験を取り入れ,より具体的に考察できるようにする。【工夫2】
3. モデルの修正過程を1枚のワークシートにまとめさせることにより,生徒が各自の思考の変容をとらえることができるようにする。【工夫3】
(4) 学習課題
 塩化銅水溶液の中はどのようになっていると思いますか。もし,目に見えるとすればどのように見えるでしょうか。
(1) 塩化銅が水にとけているようす
(2) 塩化銅水溶液に電流が流れているようす

の2つの場面にわけて,その 想像図 を書いてみましよう。
 ただし,塩化銅は,銅原子(●)1個に対し,塩素原子(○)2個の割合で銅原子と塩素原子がびっしりと膨大な数で結びついている物質です。その中で,銅原子1個と塩素原子2個を選び出して 想像図 を書きましょう。

【学習課題について】
1. モデルを描く場面を2つに分けることによって,後に電圧をかけた時とそうでない時の水溶液中のイオンの動きがより明確にイメージできるようにする。
2. 「モデル」でなく「想像図」という言葉を使うことによつつ生徒の自由な発想を期待したい。
(5) 予想されるモデルの例
1.  「塩化銅が水にとけているようす」のモデル このモデルについては,大きく2つのタイプに分かれることが予想される。
 図1のように、1つは,「膨大な数で結びついていた塩化銅が水にとけることによって別々になるが,塩化銅CuCL 2 は1つの単位としてくっついたままのモデル(私はこれを「 くっつきモデル 」と名づける)」である。
 塩化鋼の大きなかたまりに水を加えることによって1つ1つのかたまり(分子)になると考えている生徒は大変多いと考えられる。
 もう1つのタイプは,「塩化銅が水に溶けると銅原子と塩素原子がばらばらになるモデル(私はこれを「 ばらばらモデル 」と名づける)」である。モデルの表現上は電荷を意識しているものとそうでないものとに分けられる。

図1 「くっつきモデル」と「ばらばらモデル」の例
図1 「くっつきモデル」と「ばらばらモデル」の例

図2 「くっつきモデル」で電圧がかかった時の例
図2 「くっつきモデル」で電圧がかかった時の例

2.  「塩化銅水溶液に電流が流れているようす」のモデル
 図2のように,「くっつきモデル」のタイプでは,電圧がかかることによって,塩化銅が銅原子,塩素原子1つ1つにばらばらに分かれるモデル(ファラデー説)を考える生徒が多いと考えられる。また,


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