平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究3 -124/170page
(2) 塩酸の電気分解のシミュレーションソフトウェアの開発
1. 開発のねらい
各教科書に掲載された塩酸の電気分解のモデル図をシミュレートすることにより,モデル形成におけるイメージの想起を図り学習活動の支援を行う。
2. BASIC言語の活用
塩酸の電気分解のようすをよりリアルにシミュレートするには,FCAIシステムでは,不十分である。したがって,よりきめ細かな動きが表現でき,一般によく用いられているBASIC言語(N88-BASIC)を用いることにした。
3. 情報処理技術者の活用
このソフトの開発にあたっては,「情報処理技術者(以下SEと呼ぶ)活用事業」の一環として,教育用ソフトウェアの構成・内容等に関する所員のアイディアを生かしながら,SEに委託し,互いに連携しあってソフトウェアを開発することにした。
4. 工夫した点
前にも述べたように,学習指導要領における学習内容の制限や表1にみられるような教科書におけるモデルの表現のばらつきを克服し,次の3点をねらいとするため,4つのシミュレーションモデルを考えた。
○ 学習進度や理解度に応じてモデルの表現内容が選択できる。
○ 化学変化(電気分解)やイオンについてのイメージを段階的に膨らませることができる。
○ モデルによる表現力を豊かにする。