平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究4 -129/170page
2 協力学級の実態
・充実感・・自分は集団の中で個性や能力を発揮できているという実感
・有用感・・自分は集団の中で何か役に立つことができているという実感
・安定感・・自分は集団の中で受け入れられ、認められているという実感
・満足感・・自分は集団の中で喜びや満足感をもつことができているという実感
○ 自己表現とは
子どもが感じたり考えたり願ったりすることなど、自分の思いを様々な方法で外に表すこと
○ 自己表現活動とは
子どもが自分のよさや可能性を発揮しながら自分の思いや考えを、調べたり、絵や文章・言葉・身体などで表現したりして、その子どもなりに解決したり、追求したり、実現したりする全ての行為や活動のこと
基本構想に基づき,学級における自己表現活動を指導援助するうえでの課題を把握するために,協力学級で次のような調査をした。
(1) 協力学級の交友関係の実態(ソシオメトリックテストから6月実施)
男子3,女子3の下位集団から成り,周辺児1名孤立児1名がいることが分かった。学級集団の結びつきがそれほど強くないことを示している。それぞれの子どもが一部の親しい友だちに関心を示し,信頼・協力できるが,それ以外の友だちには傍観的になるのではないかと思われる。したがって,お互いに認め合う・励まし合うまでの子ども相互の理解が十分にできていないと考えられる。
(2) 子どもの表現活動の実態(自作の質問紙から6月実施)
「少し楽しい」(2名)を含めると,毎日の学習については,ほぼ全員が楽しいと感じている。「あまり楽しくない」と答えた子ども(1名)については注意深く見守っていく必要がある。
2.《楽しく学習できるのは,どんなやり方をした時ですか》(%)
一人で調べる学習よりは体験的な学習やグループ学習を好む子どもが多い。このことから,具体的な活動や友だちとのかかわりが,学習を楽しくする要因になると考えられる。特に,学習の中で友だちとのかかわりの場を工夫していく必要がある。
「少しできる」を含めると,ほぼ全員が一応自分の考えや思いをもつことができる。しかし,「少しできる」と答えた子どもの割合が多いことから考えると,自分の思いや考えをもつことにまだ慣れていないことが分かる。発表の場や機会を多くして自己表現活動に慣れさせていくことが必要である。