平成7年度 研究紀要 Vol.25 個人研究5 -140/170page

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前図のA〜Cは,4拍2小節の図形楽譜である。○は手抽子,×は休みである。A・Bは別々のリズムであるが,両方を同時に手抽子をすると,Cのように連続して聴こえることになる。これが,簡単な「インターロッキングーの原理である。
(4) 「パターンミュージック」とは
 同じリズムや,同じ旋律をパターンとして何度も繰り返し,その形が音楽として表れるものを指す。これも,東南アジアの音楽の諸原理の一つと考えられている。
(5) 「トガトン」を使った音楽の教育的価値
 1.竹を切るだけなので,自分たちで楽器を簡単に作ることができる。
 2.作音楽器であり,どうしたらよい音がでるか自分たちで見つけることができる。
 3.「インターロッキング」や「パターンミュージック」の原理を応用し,演奏のルールを自分たちで考え「創作」(音楽づくり)をすることができる。
 4.テンポを合わせる,音量のバランスを聴き合うなど,アンサンブルに必要な力を身につけることができる。

3 指導計画について
(1) 題材名 「フィリピンの民族楽器(トガトン)でパターンミュージックを作ろう」
(2) 題材設定の理由

 日本は近隣のアジアの国々と文化の面で共通点も多く,また相互に影響を受けている。しかし,現実には,生徒はこれまでアジアの国々の音楽に触れる機会は少なく,その良さや面白さに興味・関心を示すことができなかった。そこで,実際にフィリピンの民族楽器「トガトン」を使って演奏体験し,更に生徒が持っている豊かなリズム感を,「創作」(音楽づくり)によって引き出し,これを表現することによって生徒の音楽活動に対する興味・関心や学習意欲を高めようと考えた。また,フィリピンの人々の音楽と生活をこの「即興的表現」をとおして実感させたいと考え,この題材を設定した。
(3) 指導目標
 1.知識理解,技能面の目標(達成目標)
ア 東南アジアの音楽の原理である「インターロッキング」や「パターンミュージック」を理解する。
イ 「トガトン」の演奏の仕方を身につける。
ウ アンサンブルの能力を高める。
工 「即興的表現」を通して,音楽の表現力の伸長を図る。
 2.態度,心情面の目標(方向目標)
 「インターロッキング」や「バターンミュージックーを体験することによって,そのよさを発見し親しむ場としたい。また,グループアンサンブルを中心とした「即興的表現」の楽しさを味わいたい。さらに「アジアの民族音楽」に親しむきっかけをつかみ,積極的にアジアの文化について関心をもつ生徒を育てたい。
(4) 教材
 1.自作教材プリント「フィリピンの民族楽器(トガトン)でパターンミュージックを作ろう」
 2.自作リズムカード
 3.「トガトン」の鑑賞VTR,「ラップ」の鑑賞テープ
 4.自作「トガトン」50本
 5.演奏台用ブロック6個
(5) 指導計画(4時間扱い)
指導内容
第1時  東南アジアの音楽の特徴である「インタ一ロッキング」をリズムゲームを通して理解する。基本的な「パターンミュージック」の「即興的表現」をする。
第2時  更に発展させた「パターンミュージック」の「即興的表現」をする。カリンガ族の実際の演奏等を鑑賞しその表現方法などを感得する。
   「トガトン」以外の楽器も使用して,グル


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